スピンを禁ずるグラブ集やハードブーツでフリースタイルを表現するなど、毎回独創的なテーマを設けた短編動画を連載しているフランス人スノーボーダーのビクター・ダビエが、6作目となる今作も面白いムービーを発表。雪面にヒジをつけながらビッテリーターンすることが得意なことから、“エルボーカーブの伝道師”との異名を持つタイラー・コールトンとのコラボレーションが実現した。
撮影はフランスのアヴォリアッツにて数日間に渡って行われた。「ヒジから血が出るまでアヴォリアッツのゲレンデでカービングし、お互いのアイデアを出し合った」とビクターが言うように、カービングターンを題材としてこれほどまでフリースタイルに表現しているムービーを観たことがない。そう言っても過言ではない仕上がりだ。
特筆すべきは、アイキャッチ画像を飾っているシーン。両名ともレギュラースタンスのため、黄色のジャケットを身にまとっているタイラーがスイッチスタンスのエルボービッテリーターンで合わせているわけだ。その難しさは想像に難くないだろう。また、ビッテリーターンの際にはトウサイドを雪面に対して垂直に近い状態でエッジングするわけだが、真上にきているビクターのヒールエッジにタイラーが50−50でオンするというシーンも。
“いつかはやってみたい”という発想にすら至らない、ビッグキッカーやスーパーパイプで繰り出される高難度トリックではなく、すべてがグルーミングバーンで展開されているため、“マネしたくなる”アクションが多数収録されている。カービングコラボレーションの美しさに酔いしれるもよし、きたるシーズンに向けてイメージを膨らませるもよし。見応え抜群の作品と断言していいだろう。