これぞザ・スノーボーディングビデオだ。90年代初頭からスノーボードにまたがり、シーンの最先端を追い続けてきた筆者にとっては懐かしくもあり、若手スノーボーダーたちにとっては新鮮に映るのかもしれない。
米オレゴン州マウントフッドで開催されていたHIGH CASCADE SNOWBOARD CAMPにおいて、6月26日から7月2日にかけてCAPITA ＆ UNIONシグネチャーセッションが行われた。そこに、サイドヒットの達人としておなじみのアーサー・ロンゴ、小技の魔術師として知られるマイク・ラヴ、山に恵まれていないミッドウェスト出身だけに創造性あふれる滑りが武器のベニー・マイラムらが集結。それぞれが個性的なライディングスタイルを遺憾なく発揮した。
本作の特徴として、8mmフィルム風に加工されたフッテージがところどころに散りばめられているのだが、それらがフリースタイルスノーボーディングが日進月歩で進化していた隆盛期を彷彿とさせる。また、山から降りればスケートボードやアクティビティを全力で楽しむという、今も昔も変わらない夏のマウントフッドでのライフスタイルを絶妙に描写。それらに加え、出演ライダーたちの技の難易度以上に表現力を重視した滑りが融合し、フリースタイルスノーボーディングの本質を見事に表現しているように感じてならない。
こんなムービーを観せられてしまったら、滑りたくてたまらなくなる。