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18歳の若き金メダリスト スー・イーミンが中国のスノーボードシーンを変える
2022.06.17
北京五輪スロープスタイルで金メダルを獲得したカナダのマックス・パロットの採点が誤審だったことをジャッジ陣が認めているため、銀メダリストである中国の“シャオミン”ことスー・イーミンが事実上の金メダリストということになる。加えて周知のとおり、同五輪ビッグエアでも頂点に立っているだけに、誤審さえなければふたつの金メダルを手中に収めていたということだ。1998年の長野五輪から7回目のオリンピックを数えたわけだが、いまだかつてフリースタイル種目で2個の金メダルを同五輪で獲得したライダーはいない。メダル獲得時は17歳、現在18歳のシャオミンはオリンピック後、ストリート&パウダーライディングを満喫していた。
超多忙だったコンテストシーズンを終え、仲間たちとストリートでのセッションに興じていれば市民から声をかけられ、中国では珍しいだろうパウダースポットを訪れれば写真撮影を求められる。突如スーパースターが誕生したことで、中国のスノーボードシーンは今後、どうなっていくのか。
中国は日本よりも後発でスノーボードが普及していったわけだが、東京ドームで行われていた国際大会「X-TRAIL JAM」が2008年で打ち切りになると、2010年からは世界最高峰のビッグエア大会「AIR + STYLE」が北京国家体育場、通称・鳥の巣で開催されるようになった。2015年7月、2022年の冬季五輪開催地が北京に決定すると、ウィンタースポーツ人口を3億人に拡大する計画を打ち出し、世界中で大きな話題を集めることに。
そして今年2月17日、北京五輪のプレスセンターで行われた記者会見によると、2021年10月までに中国におけるウィンタースポーツ参加者は、全国民の24%超にあたる3億4600万人に達したと発表された。スノーボーダーが急増したタイミングとスーパースターの誕生が重なり、今後の中国シーンはどのように発展していくのか。注視していきたい。