MOVIE
仲間同士でプッシュし達成感と友情を共有するストリート物語『TOWNIE』
2021.10.10
米バーモント州には数回訪れたことがある。BURTON(バートン)のお膝元であることはもちろん、“グリーンマウンテン”という愛称があるように、とても自然に恵まれている。日本ではバーモントカレーのイメージに引っ張られてしまうだろうが、特に関係はない。最大都市であるバーリントンはこぢんまりしているものの、街並みが美しく公共スペースがとても整備されているため、住みたい街ランキングの上位に選ばれるほどの人気エリアだ。
そうした街で、純粋にストリートスノーボーディングと向き合っているクルーがいる。筆者も立ち寄ったことがあるのだが、1989年から同州のスノーボードシーンを牽引している老舗ショップ、DARKSIDE SNOWBOARDSの所属ライダーたちだ。彼らが街中で構造物と対峙してきたリアルな瞬間を収録した映像作品『TOWNIE』が公開された。
性別の垣根を越え、ストリートスノーボーディングを愛する仲間たちのストーリーが美しく描写されている。セパレートされたレールがカーブしていて、なおかつ、ランディング直後に池が待ち構えているアイキャッチ画像にあるようなハードなハンドレールに幾度となく挑み、それらを攻略する達成感だけを追い求めて夢中になって滑る。そして、メイクした暁にはまっさきに駆け寄って称え合う。そうした数多くのシーンに引き込まれることだろう。
年齢を重ねるとともに忘れかけていた何かを思い出せてくれる本作品。きたるシーズンに向けて、バーモントの若者たちから刺激を受けよ。