スケートボードから多大なインスパイアを受けてフリースタイルスノーボーディングの礎が築き上げられ、ジャンプの巨大化により独自の進化を遂げた背景には、1996年5月にスウェーデン・リクスグレンセンで放たれたインゲマー・バックマンのバックサイドエアなくして語ることはできない。
2016年に創刊した弊誌のメディアガイドにあたるISSUE 0の表紙がまさにこのエアであり、当時は20年前のこの巨大ジャンプに対するリスペクトを込めて制作させていただいた。往年のスノーボーダーには説明不要だろうが、知らないという若手スノーボーダーのみなさんはこちらの記事から動画をチェックしてほしい。
あれから25年が経とうかという2021年3月、インゲマーはFAT & FURIOUSのアッベ・ヒィエルストロムとともに彼の地を訪れ、ライディング撮影を敢行。彼らは本作品について次のように述べている。
「インゲマーとアッベから愛を込めて。このムービーはオレたちのルーツに捧げられる。スノーボードの魂は死んでいない。ただ、眠っているだけ。今こそ、それを目覚めさせるときだ」
彼らはそのように表現するためにノーグラブ、そして360までしか回さないという制限を設けて撮影に臨んだ。本ムービーの予告編を紹介した際にも綴ったように、フリースタイルスノーボーディングの根源にある感情や魂をシェアするために制作された『OLLIES IN PINGU LAND』の本編が公開。四半世紀で著しく進化したフリースタイルスノーボーディングに想いを馳せながらご覧いただきたい。