雪とは縁遠いドイツ北部の港町・ハンブルグで生まれ育ったベニー・アーバン。地元の公園で行われていた小さなイベントを観てスノーボードを知り、ラストネームのスペルがUrban（都市）ということからも、まさしくストリートスノーボーディングの申し子と言える。
2012年に発表された、NITRO（ナイトロ）初のチームムービー『HYPED!』の制作のため、ヨーロッパ各地の都市を動き回っていたベニー。そのとき撮影された映像が9年の時を経て公開された。ストリート撮影の舞台裏が生々しく映し出されているので、困難を乗り越えてメイクに至るまでのプロセスや撮影現場の臨場感など、普段知ることができない様々な情報が詰め込まれている。
ラストには先述した作品の本編とは別に、これらの生映像を用いてオリジナルで編集された短編作品のおまけ付き。滑り手と撮り手、そして作り手の想いがカタチとなりアウトプットされるまでの過程を知ることで、彼らがアスリートではなく“表現者”と呼ばれる所以を少しでも理解できるかもしれない。