飛べるように整備されているわけではなくても、誰かがそのポコジャンでバックフリップでも始めようものなら、自然とセッションが始まる。残雪だろうが湿雪だろうが雪さえあれば、楽しみ方は無限大なのだから。日本のトップシーズンは粉雪に恵まれるため見落としやすいが、なくなってからこう気づくもの。ノルウェーの氷河、フォルゲフォンナが舞台の連載ムービー『FRIDAYS AT FONNA』のエピソード3を観ていると、そう感じる。
ムービー後半には悪天候の中でのセッションが収録されており、楽曲に日本のフィッシュマンズの『Weather Report』が使用されている。日本語にもかかわらず、雨の中でのライディングと歌詞を引っ掛けている素晴らしい選曲だ。さらに歌詞には「まるで魚になった気分だよ」とあるのだが、雪さえあれば天候が悪くても水を得た魚のように滑るといった活力に満ちた姿勢まで表現しているとすれば、深すぎる。