BACKSIDE (バックサイド)

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MOVIE

撮影中に異国で2ヶ月間隔離されながらも残したイヴィカ・ユルゲンソンの映像美

2020.10.05

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エストニアに出自を持つイヴィカ・ユルゲンソンが本記事の主役だ。フィルマーのティム・シップホーストはオランダ人。そして、彼らはオランダで一緒に暮らしている。恐らく交際関係にあるのだろう。
昨シーズンはヨーロッパの街にほとんど雪が降らなかったこと、2月まで肩を痛めていたことから、ストリートを主戦場とするイヴィカはティムとともに今年3月の第2週目、エストニアからフェリーでスウェーデン・ストックホルムに渡った。そこから、今作の撮影地であるノルウェー北部のトロムソまで車で35時間かけて移動することに。当時は新型コロナウイルス感染が拡大しつつある状況下で、南ヨーロッパであるイタリアへの渡航の自粛要請が出ていたのだが、北欧の北部に位置するトロムソは地理的に真逆であり安全と考えたからだ。
撮影開始から1週間、すべては順調に進行していたのだが、その間にイタリアでは新型コロナウイルスによる総死者数が中国を超えて世界最多になるなど、ヨーロッパでは爆発的に感染者が増加。ヨーロッパ各国では国境封鎖が始まり、ノルウェーでも24時間以内に陸路の国境と空港を封鎖すると発表された。
ここで問題が発生。EU(欧州連合)加盟国内では自由に移住して働くことができるため、イヴィカはオランダに住みながらも住民登録をしていなかった。これにより、非市民であるイヴィカはオランダに戻れないことが判明。さらに、イヴィカの故郷であるエストニアにティムの入国許可を申請しても拒否されてしまうことに。ドイツ経由でオランダに入国する方法などあらゆる手段を講じたが、イヴィカらはオランダへ戻ることが許されず、ノルウェーで2ヶ月間隔離生活を過ごすことになったそうだ。
ノルウェーの物価は高く財布の底をはたいたが、トロムソで撮影したビデオパートを引っ提げて、ROMEのプロチームに昇格を果たしたイヴィカ。ストリートで魅せる躍動感や力強さとは対照的な女性らしさが絶妙に表現された作品であり、パンデミックの最中に残された貴重なビデオパートだけに、ぜひご覧いただきたい。

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