布施忠、佐藤秀平、ジョン・ジャクソン、キーガン・バライカ、スコット・ブラム、コディ・ウォーブル、ニック・バーデンといった錚々たるメンツを擁して生まれ変わった老舗ブランド・SIMS。1976年に創業した同ブランドは、その1年前にはスケートボードブランドとしてローンチしており、スキーの延長線上にあった当時のアルペンスノーボードとは一線を画するように、スケートライクなフリースタイルスノーボーディングを生み出した。そして、それを確立させたブランドと言って間違いない。
1963年、SIMS創業者である故トム・シムスは13歳のときに木工製作の授業で単板の底に滑走剤となるブリキを貼りつけてオリジナルボードを製作するなど、スケーターでありサーファーだった彼は双方の横乗りスポーツを雪上で融合させることに奮闘していた。そしてSIMS SNOWBOARDSを誕生させ、1983年には史上初となる世界スノーボード選手権「WORLD SNOWBOARDING CHAMPIONSHIPS」を開催。ダウンヒルレースがスタンダードだった時代に、世界初となるハーフパイプ競技を導入したのだった。そう、フリースタイルスノーボーディングの原点はスケートボードであり、そしてトランジションを利用して遊ぶハーフパイプなのだ。
こうした起源やSIMSのヒストリーについては、弊誌ISSUE 7「BURTON, SIMS, AND CRAIG KELLY ──フリースタイル温故知新──」にたっぷりと綴ってあるので興味のある方はご一読いただきたいが、そうした原点回帰を表現した新生SIMS第2弾となるムービーが公開された。出演ライダーはスコット、コディ、そしてニックだ。
過去を振り返り、歴史に重きを置くのはオッサンの性かもしれないが、フリースタイルスノーボーディングの礎となっている価値観は40年以上の時を経た今もなおクールだ。そうしたオリジナルを継承した新生SIMSクルーのライディングを観て、そして感じてほしい。