MOVIE
ボードテストに生涯を捧げる男が我が子とともに歩むスノーボードライフとは
2019.11.18
アメリカ・バーモント州ストウ在住。1980年代前半はBURTONのチームライダーとして活動し、87年から同ブランドで働くことに。プロダクト開発部やボードテスティング部を渡り歩き、現在はシニア・オンスノーテスティング・コーディネーターとしてBURTONボードをテストしているJGことジョン・ゲルント氏が本ムービーの主役だ。
スノーボードに捧げた人生のなかで子供に恵まれたことで、彼のスノーボードライフは激変した。仕事柄、滑走日数は一般スノーボーダーの比ではないものの、息子との時間を優先するために仕事以外ではその日数が減ることに。しかし、愛息とライディングを共有できるようになると、そこから得られるものは滑走時間や日数で計れるものではなかった。同じ斜面を求めて、言葉ではなく滑りで語り合うことで親子関係が築かれていく。
ライダーやデザイナー、エンジニアと協力してプロダクトを開発し、それを雪上でテストすることがJGの生業である。一般的には仕事の休みを利用してライディングを楽しむわけだが、ライディングが仕事のJGにとってもオフの日を利用して親子で滑る時間は特別のようだ。特殊な仕事なので羨ましいいっぽうで他人事に聞こえてしまうかもしれないが、子を持つスノーボーダーであれば共感できるストーリーに仕上がっている。
昨年秋、弊誌ISSUE 7「BURTON, SIMS, AND CRAIG KELLY ──フリースタイル温故知新──」取材のためバーモント州に位置するBURTON本社を訪れた際、JGに会った。本ムービー前半に登場するFAMILY TREEシリーズのRESONATOR POWSURF、いわゆるフリーフットで楽しめるパウダーボードが発表される直前だったこともあり、そのボードを片手にいろいろと説明してくれたのだが、少年のように目を輝かせながら語っている姿が強く印象に残っている。本ムービーの結びで語られている言葉に耳を傾ければ、そのことが理解できるはずだ。スノーボードを愛するひとりの男の物語を覗いてみてはどうだろう。