BACKSIDE (バックサイド)

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長野五輪ハーフパイプ金メダリストは42歳。ジャン・シメンの現在進行形

2019.10.22

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1998年の長野五輪を皮切りに、スノーボードはオリンピックの正式種目と化した。当時、ハーフパイプの絶対王者だったテリエ・ハーカンセンは、スノーボード連盟を出し抜きスキー連盟が仕切るコンテストに憤りを感じるなど様々な理由からボイコット。波乱の幕開けとなった。
そんななか、男子ハーフパイプで金メダルを獲得したのは、スイスのジャン・シメン。テリエと同じくノルウェーに出自を持つダニエル・フランクやアメリカのロス・パワーズを抑え、無名ライダーの躍進だった。
BSメソッド→FSテール→BSインディ→FS360ローストビーフ→CAB720→BSアーリーウープ・ステイルフィッシュ→BS540ミュートというルーティンでの金メダル。銀のダニエル、銅のロスともに当時の常勝ルーティンだったバック・トゥ・バックの720を決め、ダニエルはファーストヒットからマックツイストを繰り出し、さらにはトゥフェイキーからのハーカンフリップ、ロスは高さのあるエアやマックツイストを組み込むも、ノーグラブのCAB720に敗れるという結末だった。当時のライディングが気になるという方は、こちらのYouTubeよりチェックしてほしい。
そんなジャンも現在42歳。2002年のソルトレイクシティ五輪で18位、2006年のトリノ五輪では19位と、急激な進化を遂げたパイプシーンについていくことができず、それ以降、彼がどのような活動をしてきたのか知らないという読者諸兄姉も多いことだろう。筆者はバンクーバー五輪のハーフパイプ取材時にお会いしたことがあるのだが、活動内容までは把握していなかった。
金メダリストに輝いてから20年以上の月日を経た今、ジャンは滑り続けていた。昨シーズンのフッテージをまとめたムービーが公開されたのでご覧いただきたい。
ジャンプではCAB540やBS720などを優雅に決め、ハーフパイプでは長野五輪で見ることができなかったバック・トゥ・バック720を繰り出している。ハーフパイプの進化も後押ししてか、当時よりも美しい回転軸のスピンが収録されているのだが、CAB720の着地部分がカットされているのはご愛嬌ということで。
とにかくジャンは、いまだにパークやパイプでフリースタイルスノーボーディングを楽しんでいるということだ。しかし皮肉にも、現在のテリエの滑りと比較してしまうと……。参考までに、テリエがジャンと同じく42歳だったときの映像はこちらになる。
こうした紆余曲折を経て、現在のスノーボードシーンは成り立っている。

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