MOVIE
ラインの美学
2016.10.28
フィンランドが誇る世界屈指のマウンテンフリースタイラー、アンティ・アウティが贈るムービーシリーズ『STATEMENTS』より第2弾「LINES」が公開された。
そのタイトルどおり、自らの足やヘリコプターを駆使して登頂し、そこから己の意思決定により滑降するラインを描いていくという本格ムービーである。ビッグマウンテンライディングでは、客観的に山の地形やスケール感を把握したうえで、いざドロップするポイントから主観で見る光景と客観イメージから得た情報とを擦り合わせながらライディングする。山が大きくなればなるほど客観イメージはしづらいため、そのスケール感を実際に滑るなかで体感しながら、自らの判断を信じてラインを刻んでいくわけだ。
命を落とすかもしれないリスキーな状況でラインを無事に刻み終えたときには、その喜びは何にも代え難いものなのだろう。こうしたロケーションを滑る機会は一生ないかもしれないが、仮にそれがゲレンデであったとしても、グルーミングバーンに刻まれたトラックには、その人の人間性が映し出されるているはずだ。