MOVIE
フリースタイルとエクストリームを見事に融合させた名作『TB3』
2016.09.22
マイク・ハチェット氏率いる老舗プロダクション・STANDARD FILMSの名作『TB3 – COMING DOWN THE MOUNTAIN』(1993年リリース)は、往年のスノーボーダーであればご存知だろう。STANDARD FILMSといえば当時、エクストリームライディングを中心に撮影していたクルーなのだが、この作品では、後のフリースタイルシーンを牽引する大御所プロダクション・MACK DAWG PRODUCTIONSのマイク・マッケンタイア氏との共同作品だった。
当時スノーボードを始めたばかりの筆者は、ハチェット氏が編集したであろうエクストリームライディングはほぼ早送りしていたのだが(失礼)、改めて観てみると、20年以上前からエグい斜面を攻めていたことに関心させられる。現在のバックカントリーフリースタイルとは比べ物にならないものの、ノア・サラスネックやクリス・ローチなど、その片鱗をうかがわせる場面も収録されていることに今となって気づかされた。
フリースタイルパートは、ピーター・ライン、テリエ・ハーカンセン、ダニエル・フランク、ジェイミー・リンなど、グリグリの高回転スピンや安定感に欠けるエアなども連発するのだが、発展途上だったハードギアに跨り、ストリートテイスト溢れる着こなしで雪上を舞う彼らは、今以上に個性が輝いているように感じた。
ベテランスノーボーダーは懐古するもよし、若手スノーボーダーは自身のライディングの参考にするもよし。23年前の名作に新たなる息吹を。