BACKSIDE (バックサイド)

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MOVIE

ROADKILLの影に潜む名作ビデオ『UPPING THE ANTE』

2016.09.04

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フリースタイルスノーボーディングの礎を築いた作品

当サイトでお届けしている不朽の名作『ROADKILL』(記事はこちら)。その影に潜む、同じく1993年にリリースされたビデオ『UPPING THE ANTE』をご存知だろうか。仮にこのタイトルを知らなくても、Mack Dawg Productions(MDP)の名前は耳に覚えがあるはずだ。
当時、『ROADKILL』『R.P.M.』などをリリースしていたデイブ・シオーネ監督率いるFall Line Films(FLF)と、マイク・マッケンタイア監督のMDPがフリースタイルシーンでしのぎを削っていた。その頃のSTANDARD FILMSは、すでにエクストリームな山岳ライディングにフォーカスを当てていたので、このように述べさせていただく。
28分あまりの映像になるが、お時間が許すのであればぜひご覧いただきたい。

前述したFLFの2作品が爆発的にヒットした理由は、少数精鋭の出演ライダーたちがロードトリップをしながら有名リゾートでセッションするというテーマで描写していたことにある。現在のレジェンドであるショーン・パーマー、マイク・ランケット、ジョン・カーディエル、クリス・ローチ、テリエ・ハーカンセン、ブライン・イグチ、ジェイミー・リンなど、錚々たる顔ぶれだ。
対して、本記事で紹介している『UPPING THE ANTE』は、ライディングスタイル自体にフォーカスし、かつ、新人ライダーの発掘にも尽力していた。ナチュラルヒット、パーク、ハーフパイプ、バックカントリー、ストリート、グラウンドトリックなどをバランスよく演出し、さらに出演ライダーは前述したメジャーライダーはもちろんのこと、当時まだ頭角を現していなかったピーター・ラインやダニエル・フランク、デイブ・リーなどのニューカマーを取り上げ、彼らをスターダムへ押し上げた作品とも言える。
また、現在におけるフリースタイルスノーボーディングの礎を築いた作品とも断言できるのではないか。地形を活用したトリックやパークライディングは他作品と大差はないのだが、後にSIGNAL SNOWBOARDSを創業することになるデイブによるGO BIGなエアや、メイクこそならなかったもののロン・ロジャースが挑んだ超ロングなステアレールなど、当時この映像を観た世界中のスノーボーダーたちに強すぎる刺激を与えたに違いない。それに感化された若者たちが成長し、以降に劇的な進化を遂げるバックカントリーやアーバンライディングを牽引するトップライダーへと変貌したはずだから。
さらにこの作品は、テリエによるアーバンライディングが拝める貴重な作品にもなっている。また、ライダーをパートごとに表現する作品構成の原点とも言えるのかもしれない。あらゆる意味で貴重な映像作品なのだ。

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