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バックカントリー初中級者に贈るMountain Hardwearの本格プロダクトたち
2022.10.15
昨シーズン紹介した前出のモデルは、ハイクアップでのアプローチはもちろん、ロープを担いでのクライム&ライドなど、ハードなシーンで使用することを前提としたハイエンドモデルだが、本記事で紹介する「SKY RIDGE™ GORE-TEX JACKET」と「FIREFALL/2™ JACKET」は、バックカントリーのエントリー層に向けたプロダクトとなっている。プロライダーだけでなく、数々のクライマーやアルピニストから信頼を集める高品質ブランドから、一般スノーボーダーのニーズに応える商品が登場したわけだ。さらに、ゴンドラアクセスのワンデイバックカントリーツアーを想定したスノーザック「POWABUNGA 32 PACK」が新登場。
今シーズンのMountain Hardwear、見逃せない。
ゲレンデからバックカントリーまで“使える”ジャケット
ゲレンデからバックカントリーまで“使える”ジャケット
まずは、SKY RIDGE™ GORE-TEX JACKETを見ていきたい。優れた耐久性を誇る、リサイクルポリエステル100%のGORE-TEX 2レイヤーを採用したジャケットだ。トリコットとメッシュの裏地により、保温性と柔らかな着心地を実現している。
「75デニールのGORE-TEXレイヤー生地は耐久性が高く、安心感のある着心地を提供します。しなやかなタフタ裏地を備えているので保温性が非常に高く、同時に高いレベルの透湿性も備えているのが特徴です」
Mountain Hardwear商品部の伊藤氏は、このように語る。デニールとは生地の厚さを指す単位なのだが、ハイエンドモデルである「BOUNDARY RIDGE® GORE-TEX 3L JACKET」と同じ厚さの生地が採用されている。やや厚めの生地なので、ごわつきや硬さの影響で動きにくいのでは?という点が気になるという読者諸兄姉もいるかもしれない。
それを解決してくれるのが、裏地に採用されているタフタだ。この素材はとても薄く、高密度に平織りしたもの。光沢感とハリがあるため滑りがよく、レイヤリングしているセカンドレイヤーとの突っ張りもほとんど感じない。そのため、動きやすさを提供すると同時に、非常に快適な着心地を実現しているのだ。
ずばり、このジャケットをどのようなスノーボーダーにオススメしたいのか伊藤氏にたずねると、「防水透湿性に優れながら、裏地付き2レイヤーの保温性も備えているので、バックカントリーからゲレンデまで、様々なシーンで楽しむスノーボーダーにふさわしいと思います。また、気温が低いエリアのスノーボーダーにとって非常に安心感のある保温性も特徴ですね」とのご回答が。極寒の中、主にリフトアクセスでサイドカントリーを楽しむスノーボーダーに最適だと感じた。さらに、伊藤氏はこう続ける。
「両胸にある止水ファスナー使いのチェストポケットは、ザックを背負った際にも使いやすい位置に設定してあります。低めのウエスト部分にあるハンドポケットは、ゲレンデでの着用時に細々した手荷物を入れるときに役立つと思います」
ゲレンデやサイドカントリーを中心に楽しんでおり、近い将来バックカントリーにも挑戦したい。弊ウェブマガジンの読者像に、まさにハマるアイテムである。
非圧雪コースでフレッシュパウダーを狙うあなたに
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次にFIREFALL/2™ JACKETだが、なんと言ってもコストパフォーマンスの高さが挙げられるだろう。耐久性と保温性に優れた70デニールのしなやかな防水透湿生地を用いた2レイヤージャケットが、税込み31,900円という価格で手に入る。
「保温性を第一に考えた微起毛の裏地を採用していますので、非常に暖かいですね。また、少しゆとりをもたせたスノースポーツ向けのシルエットにより、暖かいウエアながら動きやすさも提供します」と、前出の伊藤氏は教えてくれた。
SKY RIDGE™ GORE-TEX JACKETと同様にトリコットとメッシュの裏地を採用しているため、柔らかな着心地を実現。また、こちらもSKY RIDGE™ GORE-TEX JACKETと同じく、ヘルメット対応のフードには3ウェイのドローコードが付いているため、悪天候やあらゆるスタイルの着こなしに対応してくれる。
伊藤氏は、さらにこう付け加えた。
「ポケットからベンチレーション、ウエア内側のゴーグルポケットまで、スノーウエアに必要とされる要素をしっかりと備え、飽きのこないスタンダードなデザインに仕上げました。シルエットは少しゆとりをもたせていますので、山岳系のスノーボーダーというよりも、ゲレンデユースのフリースタイラーにフィットするアイテムですね」
FIREFALL/2™ JACKETは、ゲレンデ内での着用に最適だ。その理由として「左胸のポケットは使用頻度の高いモノを入れるのに適したアクセスのよさ。また、ハンドポケットが大きめなので、高い収納性を誇ります」と伊藤氏が言うように、バックパックを背負うことなく、必要最低限の荷物をウエア内に収めて自由度を高めることができるのだ。
リサイクル素材を80%使用し、濡れにも強い独自開発の化繊インサレーション・Thermal.Qがもたらす優れた保温性は、リフトアクセスでのライディングに適している。非圧雪コースでパウダーライディングを楽しみたいと目論んでいるスノーボーダーたちは、コレ一着あれば間違いない。
マウンテンフリースタイル界を牽引する男が信頼を寄せるバックパック
マウンテンフリースタイル界を牽引する男が信頼を寄せるバックパック
ここまでに紹介した2種のジャケットは今季よりラインナップに追加されたため、契約ライダーたちは現時点では着ていない。だが、すでに着用希望者がいるようなので、今後はライディングシーンによって使い分けるチームライダーも出てくることだろう。
そのチームライダーの中でも、今年2月に加入した吉田啓介の存在は注目に値する。マウンテンフリースタイル界の最前線に君臨し、國母和宏や中井孝治、佐藤秀平といった、日本トップクラスのライダーたちとセッションを重ねてきたホンモノのライダーだからだ。
そんな彼が愛用するバックパックを、ここで紹介したい。新たに誕生した、POWABUNGA 32 PACKである。冒頭で述べたように、ゴンドラアクセスのワンデイバックカントリーを想定して作られている。
「両サイドにあるベンチレーション部分に面ファスナーが付いていて、サイズを調整できるのが調子いいですね。マックスで32L入るんですが、僕の場合は基本的にそこまでの容量は必要ないのでコンパクトにして使っています。でも、荷物を多く持っていく人であれば、広げて使えば収納力がかなり上がりますよ。今まで使っていたバックパックにこうした気の利いた機能はなかったので、気に入ってますね」
このように吉田は語ってくれた。また、アバランチギアをはじめ、各種ギアを整理して収納することができるコンパートメントとポケット類が充実しており、フルオープンする背面からは容易にメイン気室へアクセス可能。また、フリース裏地の上部ゴーグルポケットからもメイン気室へアクセスできるため、状況によっての使い勝手のよさが際立つ。
バックカントリーに足繁く通うベテランから、これから挑戦したいというエントリー層に至るまで、幅広いスノーボーダーに対応してくれそうだ。