BACKSIDE (バックサイド)

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SPECIAL

ツリーランエリアが拡大した「川場」で滑り込めばフリーライドが上手くなる【FREESTYLE MOUNTAIN Vol.2】

2023.01.10

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2シーズン前から「ENJOY THE RIDE」というコンセプトを掲げ、“滑る”を楽しむためのサービスが強化された川場リゾート。そのコンセプトロゴに、今シーズンから「POW AND WALL」というワードが新たに加えられた。それは、本州と思えないほどの良質なパウダースノーを味わってもらいたい、また、ゲレンデ内に点在する豊富な壁地形をもっと楽しんでもらいたいという、これまで以上にフリーライドに寄り添ったリゾートを目指すという川場の決意表明にも受けとれる。

魅惑のパウダーゾーン「OFF THE PISTE」が拡大

今シーズン、川場のビッグニュースのひとつとして挙げておきたいのが、ツリーランを楽しめる非圧雪エリア「OFF THE PISTE」の拡大だ。新たに追加されたのは、ゲレンデトップからライダーズレフトに広がるOTP Ⅳ。

 

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このマップでOTP Ⅳを確認!

 

このエリアはほかのOFF THE PISTE開放エリアと比べても木々の間隔が広いため、スピーディなラインを描きやすいのが特徴。ボウル形状になった地形にいくつもの起伏が点在しており、当て込みも自由自在だ。さらに、雪が吹き溜まりやすいポイントが多いので、ディープなパウダーライディングを堪能できる。
 
ただし、注意が必要だ。あまりにおいしそうな斜面が広がっているからといって、ゲートからライダーズレフトに直進しすぎてしまうと、このエリア最深の川場谷に迷い込んでしまう恐れがある。そうなってしまうと戻ってくるのが困難、イコール、遭難してしまうということを覚えておこう。一瞬の快楽のために、一生を棒に振らないように!

 

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手前のツリーエリアがOTP Ⅰ、その奥がOTP Ⅳだ

 

OFF THE PISTEの滑走条件として、事前に講習動画を視聴して注意点を理解しておくこと(講習動画はこちら)。加えて、SLAB REALで受け付けした際に手渡される腕章を滑走時に身につけておくことがマストとなる。
 
また、今シーズンから保護者の承諾があれば、小中学生もOFF THE PISTEでの滑走が可能になったこともトピックのひとつとして知っておいてもらいたい。ヘルメットの装着は必須なので、お忘れなく。


ツリーランのコツが学べるプロ直伝のレッスン

OFF THE PISTEを存分に楽しみたいという中上級者はもちろん、ツリーランに不安を抱えている老若男女にとっても朗報だ。今シーズンから、群馬エリアの山々に精通している元プロスノーボーダーの瀬山寿弥、須藤桂、宮崎匡介からなるオジサンポクルーが、OFF THE PISTEを利用したレッスンを不定期で行うことになった。

 

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滑り方のコツを教えてもらえると同時に、お手本となる滑りを目の前で見られるのも元プロによるレッスンならでは! 須藤氏が川場のOFF THE PISTEで激軽パウダーを舞い上げる
photo: @oji_sanpo.crew

 

そこで、瀬山氏を直撃。ゲレンデが提供するサービスとしては珍しい、ツリーランレッスンが誕生した背景について聞いてみた。
 
「僕らが普段からやっている自然の山を登って滑るという体験や感動を、自分たちオジサン(笑)だけで完結させるのはもったいないと思っていました。せっかく身につけてきたスキルや知識を次の世代に伝承したいし、このエリアにカルチャーとして残していきたい。そう考えたときに、川場のOFF THE PISTEは将来のこのシーンのためになるコンテンツだと直感し、リゾートの方に話をさせてもらったのが始まりですね」
 
OFF THE PISTEのコンセプトは、川場のスーパードライなパウダースノーをより多くのユーザーに体感してもらうことにほかならない。しかし、パウダー愛好家たちがゲレンデのコース脇で満足しきれず、コース外を滑走して遭難事故につながることも危惧していた。そこで、管理されたエリア内にあるツリーランコースを開放することで満足してもらい、さらに、それがバックカントリーの練習にもつながれば……というリゾートの想いが具現化したエリア、それがOFF THE PISTEなのだ。
 
リゾートサイドとオジサンポクルーの想いが合致したため、このレッスンが実現したというわけである。
 
「OFF THE PISTEはコースがちょっと短いですけど、だからこそ何かあっても安全に脱出できるというメリットがあります。また、安全管理されているツリーランコースを提供しているのは、群馬エリアで今のところ川場だけです。ほかのエリアでは開放されているのに、群馬は遅れているとも感じていて……。このコンテンツが成功すれば、近隣リゾートの啓蒙にもつながるはず。あと、やっぱり自然地形でパウダーを滑る楽しさを子供のうちから知ってもらいたかった。もちろん、レッスンでは楽しさと同時に危険性も教えていきますよ」
 
瀬山氏が強調するように、90年代の第一次スノーボードブームで始めた世代が親となり、キッズスノーボーダーが急増している。親子だけでOFF THE PISTEに入るのが不安なファミリーにとって、パウダーライディングに精通しているライダー陣がレッスンしてくれるだけでなく、バックカントリーに必要な装備を持って同行してくれるのは、かなり心強いことだろう。親子でステップアップを目指しながら、非圧雪の自然地形を滑る感動体験を共有してもらいたい。

 

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雪が降り積もった朝イチのOFF THE PISTE。レッスンを受ける前と後では、同じ景色でも見方がきっと変わるだろう
photo: HaruAki

 

では、実際にどのようなレッスンを行うのか、気になるところだろう。その内容を少しだけ教えてもらった。
 
「自然の山を滑るうえで欠かせないスキルは、パウダーでのツリーランだと思うんです。なので、パウダーのなかで思いどおりにボードをコントロールするスキル、特にパウダーを面で滑るためにはヒザを動かすリズムが重要になるので、それを意識するように伝えたり、トレーニングしてもらいます。あとは目線。どこを見て滑るべきか、それも伝えていきます。
 
まずは一緒にコースをクルージングして、滑りを確認させてください。そして、もしスキル的にOFF THE PISTEが無理だと僕たちが判断したら、ゲレンデ内に豊富にある壁地形を利用して3Dに滑るためのレッスンに切り替えさせてもらう場合もあります。ゲレンデ内の3D地形で思いどおりに遊べないと、OFF THE PISTEでも楽しめないですからね」
 
このレッスン、1月中旬から不定期で複数回行われるそうなので、興味がある方はオジサンポクルーのInstagramで情報をチェックしよう。「このレッスンが、ゆくゆくは本格的なバックカントリーへのステップアップにもつながればうれしいですね」と、瀬山氏は締めくくってくれた。


特別なフリーライド体験を

オジサンポクルーによるOFF THE PISTEでのレッスンに加えて、フリーライドを楽しみたいと考えている人に向けたサービスはほかにもある。ご存知という方も多いかもしれないが、すでに年末からサービスがスタートしているFIRST TRACKだ。
 
リフト営業時間前に雪上車でゲレンデトップまでアクセスしてノートラックを滑れるサービスなのだが、フレッシュスノーが降り積もった翌日は、クリスタルコースや西峰コースを攻めるのがオススメだ。面ツルのパウダーゾーンが待っているぞ。

 

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雪上車に乗り込み、いざゲレンデトップへ!

 

降雪に恵まれずパウダーを滑れなかったとしても、FIRST TRACKを利用する価値は十分にある。広大なゲレンデを貸し切り状態で、眼下に広がる絶景を眺めながらライディングできる特別な空間で、完璧に仕上げられたグルーミングバーンにターンを刻み込む。大人もそうだが、特に子供がそのような感動体験をしたならば、スノーボードがもっともっと好きになることだろう。
 
朝イチでノートラックバーンを堪能する。そして、OFF THE PISTEのゲートがオープンしたら、自然地形を楽しみながらパウダーをたらふく喰らう。そんなラグジュアリーでスペシャルすぎるルーティンを、川場のトップシーズンに実践してもらいたい。

text: HaruAki
photos: kuwaphoto.com
edit: Daisuke Nogami(Chief Editor)

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