BACKSIDE (バックサイド)

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SPECIAL

BACKSIDE CREWが読者と同じ目線で語る川場で滑り込みたい理由【KAWABA LIFE Vol.5】

2024.03.18

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2シーズンに渡り、「FREESTYLE PARADISE」「FREESTYLE MOUNTAIN」と銘打ち、内陸ならではのドライスノーや豊富な自然地形について言及した連載記事をお送りしてきた川場スキー場は、今シーズン、“滑り手”にフォーカスする。川場とゆかりのあるトッププロから一般スノーボーダーまでが“それぞれの川場ライフ”を語る連載企画がスタート。
 
最終回となるVol.5には、弊メディアが運営しているスノーボードコミュニティ「BACKSIDE CREW」のメンバーたちが登場する。レベルや世代、性別の異なる一般スノーボーダーたちがそれぞれの視点から、川場で滑り込みたい理由を語ってくれた。きっと、本記事を読んでくれているあなたのニーズに当てはまる意見が散りばめられているはずだ。

北海道ローカルの20代上級者が語る川場の地形&雪質

「CREWと一緒に滑ることが目的だったので、(ゲレンデに対して)特に期待はしていませんでした。でも、あそこまで地形が豊富なゲレンデは、北海道でもなかなかないですね。あちこちに点在している壁もそうですし、大きくターンを切りながらいろいろなラインが選べて、何箇所かコースとコースの間を飛び越えられるポイントがあったと思います。ヒットポイントが多く、みんなで楽しくセッションできましたね」
 
北海道で生まれ育った20代後半の社会人スノーボーダー、長谷川達也さん。佐藤秀平が運営するプロショップ「KONA SURF」が行っているイベント「滑り行KONA」などに積極的に参加してプロスノーボーダーたちとセッションし、中井孝治が主催するフリーライドイベント「MOUNTAIN GOAT」に出場するなど、上達思考が強い上級者である。
 
「地形がいっぱいあると言っても、それぞれの間隔がタイトなわけではないので、クイックに忙しく滑る必要もありません。ラインどりをいろいろと選べる分、自由度が高いですね。なので、やったことがない技に挑戦してみようという余裕が生まれてきたりして、すごく滑りごたえがありました」

 

しっかりとオーリーで踏み切ってブッシュ越えのインディグラブで魅せる長谷川さん

 

アクションスポーツの日(春分の日)に毎年開催している「BACKSIDE SESSION」に参加するため昨シーズン、長谷川さんは初めて川場を訪れた。今シーズン、冬季は仕事量を減らして“サイドカントリー天国”と称されるリゾートでアルバイトをしながら滑り込んでいた。以外にも、北海道のあらゆるゲレンデに足繁く通っている長谷川さんだが、川場の地形はとても魅力的に映ったようだ。
 
さらに、雪質について次のように語ってくれた。
 
「3月下旬だったのに、午後になっても雪がストップスノーになりませんでした。多分、川場は標高が高いんでしょうね。3月の群馬で、あそこまでコンディションがいいとは想像もしませんでした。トップシーズンはパウダーが調子よさそうですね」
 
長谷川さんが言うように、クリスタルコースのトップは1,870m、ベースでも1,290mあるので、比較的標高が高いリゾートだ。本連載Vol.1〜3に登場してくれた佐藤亜耶、久保田空也、西田洋介らが口を揃えて絶賛している雪質のよさについて、道産子スノーボーダーの長谷川さんも期待を寄せる。
 
「縦に長いゲレンデでありながら、その中に創造力次第でいろいろなラインが選べるので、とても面白かったです。ヒットポイントが多いから飽きることなく、一日で遊ぶのにちょうどいい規模のゲレンデだと思いました。パークを狙って滑るのではなく自然の流れで入れて、しかもアイテムがすごく大きいわけではないので、フリーライディングの一連の中で遊べるのもいいですね」
 
長谷川さんは再び、北海道から川場への遠征を目論んでいる。

 

長谷川達也(はせがわ・たつや)
生年月日: 1996年3月6日
出身地: 北海道夕張市

 


関東在住の50代中級者が多忙な仕事の合間を縫って川場を狙う理由

20歳の頃にスノーボードを始めたが、30代になるとほとんど雪山へ行くことはなくなってしまった埼玉県在住の根本清さん。40歳を目前に控えた頃に雪上復帰を果たし、現在に至る。始めた当初も復帰後も、どちらも川場に足繁く通っているそうだ。CREWのメンバーたちはLINEのオープンチャットでつながっており、名前には本名やニックネームの後に「@ホームゲレンデ」を付けてもらうようにお願いしているのだが、根本さんは川場としている。
 
「壁があるのは知っていましたが、20代の頃は地形遊びはしていませんでした。でも、復帰してから川場の地形が目に飛び込んできて、そこからだんだん面白くなってきたんです。白馬にコモっていた経験がある友人から影響を受けたことが大きいですが、高手ダウンヒルにある右側の壁に魅せられて、降っているときも降っていないときもよく遊んでいます。けっこうスピードが出せるからパウダースノーに恵まれたときは、壁をどこまで高く上っていけるかを試したりしていますね」
 
仕事の都合上、なかなかパウダースノーを当てることが難しいと根本さんはぼやくが、その中でも川場を選択する理由について、次のように語る。

 

グルーミングバーンがキレイな点も根本さんのお気に入り

 

「川場は標高が高いから気温も低くて、表面はちょっと固まっているけど中はふんわりみたいな雪がけっこう残っています。だから、バフバフの日は休めなかったとしても、その後2、3日は雪質のいい状態が続いていることも多いですね。高手ダウンヒルもそうですし、さらに標高が高いところにもいい雪が残っています。あと、強風が吹いても川場のリフトは止まらないので、1日券を買ったのに全然滑れなかった、ということがありません。川場には、いろいろ期待しちゃっている自分がいます(笑)」
 
根本さんは中級レベルのスノーボーダー。失礼ながら、パウダーライディングが上手なわけではない。
 
「CREWのメンバーと別のゲレンデでツリーに入ったことがあったんですけど、やはりもう一度、川場でしっかり滑り込まなければと痛感させられました。この連載で西田洋介さんが、『谷川岳で滑る前の川場』と表現されていて、それが『OFF THE PISTE』ですよね。OFF THE PISTEは敷居が高い印象があると思いますが、私のようにバックカントリーに興味があるけど自信がないという人たちは、もっと積極的にOFF THE PISTEで滑り込んだほうがいいと思います」
 
三種の神器を揃え、バックカントリーでのライディングに憧れを抱きながら、根本さんは川場のOFF THE PISTEで、その腕に磨きをかける。

 

根本 清(ねもと・きよし)
生年月日: 1972年6月13日
出身地: 東京都北区

 


紅一点の20代中級者が学びが多いと語る川場の魅力とは

「川場には昨シーズンから通うようになりました。OFF THE PISTEのように登録申請しないと滑れないエリアもありますが、同じコース上にいろいろなレベルの人が共存しているように感じます。初心者でも上級者が壁で遊んでいるところを見ることができるし、私のような中級レベルのスノーボーダーにとっても上手い人がいれば、『あそこであんなことができるんだ!』とか『あそこは当てられるのね』のような気づきがたくさんあるんです。普通にコースを滑っているだけなのに、“学び”や“発見”が多いことが川場を選んでいる理由です」
 
信州エリアにコモっていた経験もあり、現在は埼玉県からいろいろなゲレンデに通っている藤波理紗さん。20代で中級レベルのスノーボーダーだ。「川場の場合、トップまでアクセスするリフトから滑っている人たちを見ることができるのもいいですね」と先述の言葉に付け加えているのだが、滑りながらだけでなくリフト上からの発見もあるので常に勉強になる、と川場の魅力を教えてくれた。
 
「あと標高差が大きいからなのか、一日の中でも雪の変化に合わせて楽しめることも川場の面白さです。朝イチの硬めのときはカービングターンを練習して、昼前くらいに雪が緩み始めたら壁で遊び、さらに緩んできたらパークでキッカーにチャレンジ!みたいなイメージで楽しんでいます。『FLUX PARK』は一連の流れの中にあるから、いい意味で気軽に入れるところがいいですね」

 

雪が緩む時間帯は積極的に当て込む藤波さん

 

さらに、オンスノー以外でも川場の利便性について、女性ならではの視点で語ってくれた。
 
「普段から更衣室を使うことはありません。雪が降っているときは私服の状態でクルマの外に出たくありませんし、駐車した場所によっては遠いこともあります。なので、クルマの中で着替えを済ませていますが、川場の立体駐車場はどの階に駐めても更衣室が絶対ありますよね。しかも、クルマをどのスペースに駐めてもさほど遠くありません。滑る準備や帰り支度がものすごくラクで、屋根があるから除雪の必要もないなんて、本当に最高ですよね!」
 
藤波さんはまだ、川場でパウダースノーを当てたことがないそうだ。今シーズンは2月よりも3月のほうが降雪に恵まれているので、彼女は虎視眈々と川場でのTHE DAYを狙っている。

 

藤波理紗(ふじなみ・りさ)
生年月日: 1998年3月2日
出身地: 埼玉県日高市

 

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
interview: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)
photos: ZIZO=KAZU

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