BACKSIDE (バックサイド)

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COLLABORATE BRANDS

トップライダーたちの激しい滑りにも応えるサステナブルなK2の次世代バインディングたち

2023.11.30

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スノーボードの開発に着手した1987年当初から一貫して、「スノーボーダーに求められるプロダクト」を作り続けるK2 SNOWBOARDING(ケイツー スノーボーディング)から、新時代のバインディングが誕生した。その製造過程で必要となるエネルギーの40%以上を太陽光発電から得ており、バインディングを構成する素材のうち重量比で約25%、体積比にして約40%を占める素材をバイオベースとするなど、サステナブルなバインディングたちだ。パッケージにもプラスチックは使用されておらず、FSC(森林管理協議会)認証を受けた厚紙や再生紙で包まれた形で、我々の手元に届くという。クラフトマンシップに溢れるK2が世に送り出すプロダクトだけに、もちろんその性能にも一切の妥協がない。K2インターナショナルチームに名を連ねる渡辺大介も「シンプルに調子がいいバインディング」と太鼓判を押す。

自然の恩恵を受けながら雪山で遊ぶ我々スノーボーダーにとって、環境問題は捨ておくわけにはいかない話題だ。選ぶだけでサステナビリティに貢献しながら、思うがままにボードを操ることができる高性能バインディングたちを紹介する。

「PROGRAMはどんなコンディションでも信頼できる相棒です」──渡辺大介

23-24シーズンから新たにラインナップに加わったバインディングは、メンズ・ウィメンズ合わせて6モデル。メンズモデルの中でもっともフレックスが硬く反応性に優れたPROGRAMは、前述のとおり渡辺大介が太鼓判を押しているお気に入りのモデルだ。今ではホームであるニセコエリアをメインにフリースタイルスノーボーディングに明け暮れている彼だが、学生時代はスノーボードクロスの全日本選手権で優勝経験もあり、ナショナルチームに所属していた元レーサー。独自の視点から、この高反応なモデルについて語ってもらった。

「僕のホームでもあるニセコのパウダーって、ちょっとほかの場所と雪質が違うんです。パウダーと言ってもほどよい湿り気があるので、軽いけど弾力がある感じ。そういう雪の中でフリースタイルに遊ぶとなると、全体的に反応がいい道具を使ったほうがパウダーの中を自由に泳ぎ回るような感覚が得られて、楽しいんですよね。どんなコンディションで遊ぶときも、僕はバインディングとブーツは(反応のいい組み合わせから)変えないんです。PROGRAMは硬いボードのフレックスにも負けずに、しっかりした足回りを作ってくれるモデル。それこそ、テクニカル系の滑りをする人たちもけっこう好きなんじゃないですかね」

足回りが安定するからこそ、高速域でも安心して身体を預けられるバインディングなのだろう。とは言え、硬いバインディングは足首の動きを制限するのではないか、という疑問がつきまとう。大介はどのようにして、幾多の地形を攻略しながら縦横無尽に駆け抜ける、オールラウンドな滑りを可能にしているのだろうか。

「僕は空中でグラブしたときにボーンアウトするのが好きなので、ビッグキッカーやかなりスティープな斜面に行くとき以外は、アンクルストラップを少し緩めて足首が曲がるようにしていることが多いです。緩めても足元の安定感が損なわれることがないんですよね。ブーツのカップソールとバインディングのベースパッドに同じラバー素材が使われているので全然滑ることなく、力が逃げないんです」

 

高速域での安定感はそのままに、強いグリップを感じられるベースパッドのおかげで足首の可動域は自由に調整できる

 

大介が言及するとおり、PROGRAMのベースパッドには「THIS GRIPS!™」と呼ばれる、K2が独自に開発したラバー素材が用いられている。これが足元の振動を減衰させながら強固なグリップを足裏にもたらしてくれるそうだ。足裏が滑ってしまうと力が逃げてしまい、自由なボードコントロールは難しくなってしまう。このベースパッドが、PROGRAMがもたらす安定感に大きく貢献しているわけだ。同じ素材がカップソール部分に用いられているブーツがラインナップされていることも、ハードギアすべてを手がけるK2ならではの特徴だろう。


「足との一体感が生まれてボードを自由にコントロールできるのがALBANYの魅力です」──佐藤亜耶

「すごく粘りがあるバインディングだと思います。クイックな動きではなく徐々に力をかけていくような柔らかい動きに対して、いい反応を返してくれるバインディングですね」

ミドルフレックスのALBANYは、現在バックカントリーフリースタイルの世界に熱中している佐藤亜耶の愛機。クリフから飛び降り、スプレーを巻き上げながら手つかずの裏山を攻略していく彼女のライディングには、前述のTHIS GRIPS!™や、バイオベース素材が使用されている「AM1 HIGHBACK」がもたらす、ALBANYの粘りが必要なのだという。

「例えばヒールターンを引っ張ってスプレーを上げたいとき、力の伝わり具合に少し遊びがあると、ゆっくりと力をかけ続けられますよね。私のターンのイメージは後半にかけて力を強めていく感じなんですけど、それに対応してくれるのがALBANYのフレックスなんです。足裏のグリップが効くから踏み続けることができるし、ミドルフレックスのハイバックだから力の加減がしやすく、頼りがいがあります。身体を倒して加重するときの、体重をかけられる範囲の広さ。これがALBANYを気に入っている理由ですね」

より自在に加重や抜重を繰り返してボードを自由に動かしたいと願うスノーボーダーにとっては、間違いないバインディングなのだろう。ALBANYはウィメンズモデルだが、メンズモデルには同じ設計コンセプトの「EDITION」が用意されているため、性別を問わず、好みに合わせて選ぶことができる。

 

ALBANYの粘り強さが、美しく尾を引くスプレーを生み出す助けになっている

 

23-24シーズンから新たに加わった6モデルはすべて、サステナビリティに配慮したパッケージや素材で組み上げられている。ジェレミー・ジョーンズが立ち上げた気候変動に向き合う団体「Protect Our Winters(POW)」日本支部のアンバサダーも務めている亜耶に、スノーボーダーとしてこのようなギアを選ぶことの意味を聞いてみた。

「このシーズンからK2プロダクトでこういう選択肢ができたように、これからはどんどん、ブランド側が環境負荷に考慮したプロダクトを提供していくようになると思うんです。だから今、それを使わせてもらう側である私たちにできることは、すでに環境負荷について考えているブランドを応援し、よりよい未来を一緒に作っていくことだと思っています。ユーザー側があえて選ばなくても、気づいたら自分の使っているギアは環境負荷が抑えられているものだった、というパターンが理想じゃないですか。みなさんが使っているギアを調べてみると、そういう部分に配慮されているかもしれません。まずは調べるところから初めてほしいですね」


「バインディングをBONDに変えてから板が折れていないんです」──伊藤藍冬

米ユタ州ソルトレイクシティ発のTHE DUST BOXとのセッションや、セージ・コッツェンバーグやデビッド・ジテ、メリッサ・リーターノ、カレー・ヴァニュラーらが出演するK2作『SWEEP』に先出の亜耶とともに出演するなど、国内外を問わずに活躍している伊藤藍冬。彼も新モデルの性能に満足しているひとりだ。

「これまでシーズン中に2、3本くらいはボードを折っていたんですが、BONDに変えた昨シーズンは、1本も折っていないんですよね。バインディングとボードの設置面にスポンジ素材が使われているので、それのおかげかなと思っています。このスポンジ素材がボードとバインディングの隙間を埋めてくれて、ボードがかなりねじれるような瞬間でも一体感が損なわれないんです。それでいて、足裏の感覚が遠のいて雪面を感じづらいといったこともないので、すごく調子いいですね」

 

昨シーズンはストリートからバックカントリーまでフリースタイルに遊び尽くした藍冬。濃密なライディングの相棒となっていたのがBONDなのだ

 

藍冬が「スポンジ素材」と表現したのは、振動減衰と衝撃吸収に優れた効果を発揮してくれる「ECOHARSHMELLOW™」というテクノロジー。新しい6モデルすべてに採用されているバイオ素材ベースの衝撃吸収材なのだが、派手なストンプを繰り返すフリースタイラーでもボードが折れないほどの、優れたサスペンション機能をもたらしているようだ。BONDに採用されているハイバックは「TEAM HIGHBACK」なのだが、こちらもバイオ素材が使用されており、前述のフリーライドモデルたちに比べると、より広い可動域を与えてくれる。

「ランディングのときはすごい衝撃がくるので、その衝撃をギアが吸収してくれるとメイク率は上がると思います。オレは滑るときラチェットのネジが飛ぶくらいストラップをガチガチに締めるんですが、BONDはハイバックが薄くて空中で動きを妨げられることがないので、ストラップを締めても思いどおりの動きができるんです。BOND自体が軽くて空中で足を引きつけやすいことも含めて、スタイルが出しやすいバインディングですね」


PROGRAM

PROGRAM

▷サイズ: M、L

▷カラー: WHITE

▷価格: 52,800円

高速域でも信頼できるハイパフォーマンスモデル


ALBANY

ALBANY

▷サイズ: S、M

▷カラー: MAROON

▷価格: 50,600円

ミドルフレックスで最も汎用性の高いモデル


BOND

BOND

▷サイズ: M、L

▷カラー: BLACK/WHITE

▷価格: 46,200円

軽量でフレキシブルなフリースタイルモデル

eye-catch rider: Aya Sato

photos: K2 SNOWBOARDING
text: Yuto Nishimura(HANGOUT COMPANY)

K2 SNOWBOARDING | 公式ページはこちら

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