BACKSIDE (バックサイド)

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12110

INTERVIEW

FREESTYLE MIND Vol.6 〜大塚 健〜

2019.04.15

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弊誌「BACKSIDE SNOWBOARDING MAGAZINE」が掲げている最大のテーマとして、“フリースタイルスノーボーディング”が挙げられる。それらを通じてスノーボーダーとしてのアイデンティティが形成され、雪山に生きることで自然との調和と原点とした人間力が高まっていく。自由だからこそ能動的に物事を思考し、それを表現するスノーボーダーたち。そんな彼らのフリースタイルなマインドに迫るショートインタビューをお届けする。

フリースタイルスノーボーディングとは「無限の可能性を秘めたもの」

2018年5月に開催されたX GAMESノルウェー大会ビッグエアで金メダルを獲得し、一気に世界中へその名を轟かせた大塚健。今シーズンは数々のコンテストで表彰台に上がりさらなる飛躍を遂げ、今年1月にはX GAMESの本場と言われるアスペン大会ビッグエアでも頂点に輝いた。しかも、転倒はしたもののしっかりとコントロールされたCABクワッドコーク1800という、前人未踏の超大技を披露。大会でのポイント差以上に開きがある実力を示した。そんなビッグエア王者・大塚が考えるフリースタイルスノーボーディングとは?
 
「フリースタイルスノーボーディングって、それ自体を定義することが難しくてわけがわからなくなるくらい、いろいろなスタイルがあると思います。どんなカタチであろうとも、新しいものが生み出される分だけスタイルがあると思うから、無限の可能性を秘めたものですね。例えば、ほかのスポーツだとしたら進むべき道や方向性がある程度は決まっているけど、そういうのがまったくない。本当に自由で、やりたい道を突き進んだ結果、それがカタチになっていく。それがフリースタイルなんだと思います。大会だけじゃなくて、パークでも、ゲレンデでも、バックカントリーでも、どこでも楽しめるし終わりがない。自分がそういう風にできてるかって言われたらわからないですけど(笑)」
 
そう謙遜するものの、冒頭で述べたように先駆者としてトリックを開発するなど、すでに新しい道を切り拓いていく存在としてシーンを牽引している大塚。さらに今シーズン、そのフィールドをバックカントリーにまで広げ、平昌五輪スロープスタイル金メダリストであるレッド・ジェラードらとセッションを敢行。残念ながらケガをしてしまい満足のいく成果を得ることは叶わなかったが、表現者としても世界観を大きく広げることができた。
コンテストという制約があるなかでも自由に思考し、2022年北京五輪ではスロープスタイル&ビッグエアでダブル金メダルを目論んでいる。さらに、バックカントリーを舞台としたフリースタイルスノーボーディングの可能性を追究していく道も歩み出した。二刀流スノーボーダーとしての道のりは決して平坦ではないが、競技と表現の垣根を越えた大塚のフリースタイルマインドあふれる滑りに、今後も注視していきたい。

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