BACKSIDE (バックサイド)

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HOW TO

キャンバー? ロッカー? ダブルキャンバー? 複雑化を極めたボード構造まるわかりガイド

2016.08.18

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キャンバー、ロッカー、フラット……ダブルロッカーにダブルキャンバー? パッと見では、フリースタイルボードなのかパウダーボードなのか程度の判別しかできないだろうが、冒頭で述べた名称を決定する“ベンド構造”が乗り味に大きな影響を与える。ベンドとは英語で「屈曲」「曲げられたもの」という意味になり、サイドウォール側の真横からソール面の“曲がり具合”を見てもらえれば理解できるだろう。現在、各社から販売されているボードのベンド構造は千差万別なのだが、ここでは大きく7タイプに分類。自身のライディングスタイルにマッチするベンド構造を理解し、ショップスタッフと対等に渡り合える知識を身につけよ。

CAMBER
最大限のパフォーマンスを発揮する基本構造

board_01

キャンバーとは、ボードのセンター部分から両足の外側にかけてが弓のようにトップシート側へ反った構造。なので、平らな床などにソール面を合わせてボードを置くと、センター部分が浮いた状態になる。有効エッジが長めに設定されているため、ノーズからテールにかけてのエッジングが安定し、ボードを踏み込むことで接雪面が広くなるので、高速時の直進安定性にも優れる。さらに、キャンバー部分の遊びを活用することで大きな反発力を得ることができ、オーリー時に高さを生み出しやすい。ただし正確に扱うことができなければ、逆エッジを受けやすいというデメリットも。ポジティブキャンバーと呼ばれることもある。

ROCKER
船底のような形状なのでルーズに動かせる

board_03

船底のようにソール側へ膨らんでいる形状がロッカー構造だ。このタイプのボードは接雪面が狭く、有効エッジも短く設定されているため、雪面に対してセンターを支点としてボードの回転性が非常によい。わかりやすく言えば、ボードをズラしやすいということだ。さらに言えば、逆エッジになりづらいというメリットもある。また、形状から想像できるように、パウダーでの浮力が得やすいことも大きな特徴。その半面、キャンバーのようにノーズからテールにかけてエッジングすることが難しくなるので、雪面からエッジが抜けやすく不安定だ。リバースキャンバー、ネガティブキャンバーという別名称も存在する。

FLAT
安定感が自慢のフリースタイル向き

board_02

ボードを平らな床などに置いたとき、キャンバーもロッカーも存在しない構造のため、ノーズとテールのキック部分以外は床面に張りついた状態になる。もちろん、ボードにはしっかりとしたハリがあるため、経年劣化でキャンバーがヘタった末に同形状に近づいたケースとはまったく異なり、オーリーによるレスポンス力も問題ない。接雪面が広いことから安定感に優れており、ジブアイテム上などでもバランスがとりやすいだろう。また、ソールが雪面に密着していることから、突然の逆エッジにもなりづらい。しかし、ソールと雪との間に遊びがないため、反発力を得ることが難しいということを覚えておこう。ゼロキャンバーと呼ぶことも。

FLAT ROCKER
抜群の安定感にちょっとした不安定さを

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両足間はフラットだが、インサートホールの外側付近からロッカーを採用。フラット特有の粘り強い安定感を損なうことなくルーズさも兼ね備えた、まさしくフラットとロッカーそれぞれのメリットを融合させた構造だ。サイドウォール側から真横に見たときに、ロッカーがお椀状であるのに対し、このフラットロッカーはカレー皿のような形状になることからも、前述した特徴をイメージできるのではないか。ノーズまたはテール部分のロッカーによる効果で余計な引っ掛かりが少ないため、パークライドやグラトリではトリックが仕掛けやすい。またそれは、パウダーで浮きやすいということにも繋がるのだ。

HYBRID(CAMBER BASE)
グリップ力とルーズな動きを両立

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センター部分はキャンバーながら、バインディングを設置する外側あたりからロッカーになっている構造。サイドウォール側から真横に見てみると、アルファベットの「W」のような形状になる。簡潔に述べれば、キャンバーとロッカー、それぞれの長所を融合させているということ。センター部分はキャンバーのためロッカーよりも格段にエッジグリップに優れ、それぞれチップにかけてロッカーになっているのでルーズな動きにも対応。さらにパウダーでの浮力も得やすいという、欲張りな構造だ。ロッカーベースのハイブリッド構造に比べると、高速時の安定性や反発力を生み出しやすい。ダブルロッカー、キャムロックなどと呼ばれることもある。

HYBRID(ROCKER BASE)
あらゆる地形に対応する欲張りボード

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センターをロッカーに、両足下をキャンバーに設定した構造。サイドウォール側から真横に見たときに、アルファベットの「M」のような形状になるボードがこれだ。ロッカー特有の取り回しやすさを最大限に活かしつつ、足下に設定した2つのキャンバーを踏み込んだときのエッジングにより、キレのあるターンも実現する。キャンバーベースのハイブリッド構造と同様に欲張りな構造だが、よりルーズさに重点を置きながらエッジワークも申し分ないため、あらゆる地形を活かしたフリーライディングでその威力を発揮するだろう。パウダーでの浮力も申し分ない。ダブルキャンバー、フライングV、ガルウィングなどという別名称も。

POWDER ROCKER
パウダーはもちろん圧雪にも対応

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大きくセットバックした長めのノーズ部分にロッカーを設定することで、絶大なる浮力を獲得。その名のとおり、パウダーを滑るために生み出された構造だ。それでいて両足間はキャンバーなので、荒れたバーンや高速時での安定性にも優れ、パウダー以外のシチュエーションでもその実力を遺憾なく発揮する。だが、形状から想像できるようにスイッチスタンスでの滑走が難しく、重心もセンターに置けないことから、フリースタイルには不向き。テールが極端に短いため、フリースタイルボードとは違った独特の感覚が得られる。ベンドはアルファベットの「S」字を倒した形状になることから、Sロッカーと呼ばれることも。

photo: Akira Onozuka

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