FEATURE
藤森由香が最高級のパウダースノーを求める道北への旅【後編】星野リゾート OMO7旭川
2020.12.30
北海道の内陸に位置する道北エリアは道内でも一段と気温が低く、海からの距離もあるため、極上のパウダースノーが降り積もる地域として知られている。その道北の魅力を改めて探るべく、編集部ではふたつのスポットに注目。そのひとつ、星野リゾート トマムでのラグジュアリーなスノーライフを堪能した本記事の旅人・藤森由香は、次なる道北のパウダースポットへ向かうことに。車を走らせることおよそ3時間。富士山頂を凌いで日本の最低気温マイナス41℃という記録を持つ北海道第二の都市・旭川に到着した。
【前編】星野リゾート トマムの記事はこちらから
スノーボーダー心をくすぐるホテル「星野リゾート OMO7旭川」
長期滞在したくなる快適さ
トマムでキャットツアーを堪能し、間髪を容れずに移動してきた取材クルーは、心地よい疲れのままホテルに転がり込むことに。ここ旭川で根城とするのは、2018年9月27日に「旭川、スキー都市宣言」を発表した「星野リゾート OMO7旭川」だ。
ゲレンデ隣接のホテルに比べるとリーズナブルな価格で利用でき、様々なバリエーションのゲレンデにアクセス可能。街には北海道の味覚や路地裏グルメを楽しめる飲食店が多数点在している旭川だからこそ、都市でのスノートリップに適しているという考えのもと、スノーボーダー&スキーヤー・ファーストなスキー都市を目指している。
「コンパクトな部屋なんですけど、ボードバッグをベッドの下に入れられる収納だったり、スノーボーダーやスキーヤーの滞在を考えられた作りでしたね。仮にふたりでひとつの部屋だったりしても、荷物もごちゃごちゃせずに圧迫感なく過ごせると思います。長期滞在するのによさそうですね。そうそう、私たちが滞在しているときに偶然アンティ・アウティとホテルのロビーで遭遇して話を聞いたら、1ヶ月くらい滞在してるって言ってました」
地下1階にコインランドリー(有料)が設置されているので、何週間でもいけちゃうぞ!
30種類のワックスが無料で使える「WAX BAR」
「海外も含めた遠征先で本当に困るんですよ。ホテルでホットワックスをかけるスペースがないことが多かったので、すごく寒いんですけど駐車場を使わせてもらったりしていました。でもOMO7旭川にはこうしたスペースがしっかり設けられていて、しかも無料で使い放題! 種類も豊富で、滑り手の気持ちをとても考えているホテルだなと感じました」
30種類のワックスが無料で使えるメンテナンススペース「WAX BAR」がホテルに用意されているなんて、まさにスノーボーダー&スキーヤーのためのホテルと断言できる。北海道の雪温は言うまでもなく低いので、トップシーズンだとすると、本州スノーボーダーが持っているワックスは間違いなく設定温度が合わない。そうした意味でもうれしいサービスだ。
北海道の美しい朝食が味わえる「OMOカフェ&バル」
北海道ならではのメニューや定番の洋食メニュー、フレッシュな野菜など、彩り豊かな朝食ビュッフェを楽しめる。
「コンパクトなお部屋に手軽に泊まれて、しかもこんなかわいい食事が摂れるホテルってあまりないと思います。目で見ても楽しめるし、味わえばすごく幸せな気分になれるし、満足感が大きかったですね」
1枚1枚目の前で焼き上げてくれるイチ押しのワッフルは、食事タイプとスイーツタイプの双方を楽しめる。
また、夕方からはバータイムとなり、街に繰り出す前に乾杯するもよし、食後の〆パフェを味わうもよし。現在は一時休止中なので、街で買ってきた食事を自由に持ち込めるという懐の深さを発揮。さすがは星野リゾートだ。
コンディションに合わせて選べる本格ゲレンデの数々
最高級のパウダースノーが楽しめる7ゲレンデ
ローカルスノーボーダーからもっとも支持を集めているカムイスキーリンクスまで、車で約35分。全25コースを誇る道北最大級のゲレンデだ。外国人から熱視線を集める大雪山旭岳まで車を約60分走らせれば、豊富なパウダースノーが味わえる。国民的ドラマ『北の国から』で有名な富良野までは、車で約80分。本記事前編でお届けした星野リゾート トマムまでは車でおよそ2時間10分。
小規模のゲレンデになるが、サンタプレゼントパークがもっとも近くて車で約20分、キャンモアスキービレッジは車で約35分、ぴっぷまでは車で約40分と、大小様々な7ゲレンデから自身のライディングスタイルや、その日のコンディションによって選ぶことができる。
「改めて思うと、旭川は街と雪山が近いから滑る環境としては最高ですね。少し運転するだけでいろいろなゲレンデが選択できるし、滑り終えたらすぐ街に戻ってリフレッシュできるし。こうしたアクセスのよさは札幌も含め、北海道ならではというか」
昨シーズンは暖冬・少雪だったこともあり、旭川エリアでは降雪に恵まれずパウダースノーを味わうことはできず。さらに、世界中のスノーボーダーが羨む旭岳にはもちろん足を運んだが、強風によりロープウェイが終日運休だったため滑ることが許されなかった。今シーズンこそ、リベンジしたいものだ。
道北最大級を誇る滑り応え抜群の「カムイスキーリンクス」
無料送迎バスが1日に4便運行しているカムイスキーリンクスは、先述したように全25コースを誇る道北最大級のゲレンデ。世界を舞台に活躍する旭川出身のプロスノーボーダー・佐藤秀平が幼き頃から滑り込んでいるという事実が、何よりも説得力があるのかもしれない。
「雪が少ないシーズンだったからより際立っていたのかもしれませんが、遊べる地形がたくさんあって、クリエイティビティなアイデアを引き出させてくれるゲレンデでしたね」
「それでいて、表向きにはものすごく広いバーンがゲレンデの正面にありましたね。ここで気持ちのいいカービングターンが切れるし、高速域で楽しめる」
元スノーボードクロスのオリンピック選手が言うのだから、間違いない。最大幅150mを誇るメインコース「ゴールド」は最大斜度が30°あるので、まさにカービング天国だ。ただし、スピードの出しすぎにはくれぐれもご注意を。
旭川の美しい夜景を眼下にトラックを刻める「サンタプレゼントパーク」
今シーズンから最寄りのゲレンデ、サンタプレゼントパークにも無料送迎バスが1日4便運行する。旭川市街の夜景を臨むことができるので、ナイターでの滑走もオススメだ。
「めちゃくちゃ雪質がよくて、カービングターンも気持ちよくて、コンパクトなゲレンデながら楽しめました。ナイターだけ行ったんですけど、眼下に広がる夜景がものすごくキレイで開放感がありましたね」
新たに、OMO7旭川限定の「カムイスキーリンクス・サンタプレゼントパーク共通1日リフト券(4,500円)」が発売される。無料の送迎バスを利用して、1日でゲレンデをはしごできるのも面白い。日中はカムイスキーリンクスで自然地形を活かしたフリーライディングに明け暮れ、ナイターはサンタプレゼントパークで夜景を拝みながらカービングターンに磨きをかける。
このリフト券はフロントで販売されている。こうした贅沢な一日が、OMO7旭川に泊まれば実現できるのだ。
旭川の街をディープに案内してくれる「ご近所ガイドOMOレンジャー」
5色のOMOレンジャーがご近所アクティビティを提案
「面白いアイデアですよね。旅先で地域の人たちと絡むことってあまりないと思うんですけど、旭川のことを知り尽くしたOMOレンジャーの方々に街や食事などのトリビアを教えてもらえることで、よりその旅が深まるというか」
OMOレンジャーとは、旅行者のテンションを上げることを使命とした街のヒーロー。彼らが案内する、グルメやお酒、カルチャーなどをテーマとした、より街を楽しめるツアーが用意されているのだ。
旭川さんぽ「ご近所雑貨やカフェ巡り」、冬の旭川といえば!「雪バカ御用達酒場ツアー」、1度に5軒分味わえる!「旭川はしごラーメンツアー」、旭川ローカルを満喫!「スーパーマーケットレンジャー」など、5色のOMOレンジャーが多様なご近所アクティビティを提案。旭川が、さらに面白くなる。
雪バカ御用達酒場ツアーで訪れた「牡蠣小屋 中番屋」
特に示し合わせたわけではなく、牡蠣の名店ということで雪バカ御用達酒場ツアーを担当するOMO PURPLEが案内してくれた「牡蠣小屋 中番屋」。実は、本記事の主役と深い関係のある店だったのだ。
「海なしの長野県民なので新鮮な牡蠣を食べる機会は少ないんですけど、北海道の牡蠣は本当にオイシかった! しかも、一度は行ってみたいと思っていたお店だったんです。私がアイウエアでサポートを受けているOAKLEYでライダー担当をされている方が経営しているお店に、まさかOMOレンジャーが連れてきてくれるとは。こういうローカルな雰囲気漂うお店が好きなんです」
牡蠣が穫れるシーズンだけオープンする期間限定の専門店。口いっぱいに広がる潮の香りと奥深い味が楽しめる。ガンガン焼き、アヒージョ、牡蠣飯など、牡蠣づくしのメニューをご賞味あれ。
旭川のソウルフード・新子焼きを「よしや」で喰らう
「こみちエキスパート。路地裏グルメはおまかせ」のOMO BLUEが案内してくれたのは、旭川のソウルフードである新子焼きの名店「よしや」。横丁のようなディープな飲食店街のことを旭川市民は「こみち」と呼び、そうした場所に看板を掲げていた。
「もしひとりだったらネットで検索して入りやすそうな有名店に行っちゃいますけど、本当は地元の人しか知らないような横丁的なお店に連れていってもらいたいんです。このよしやさんもまさにそうで、こうした機会をOMOレンジャーが提供してくれました」
1927年創業と、90年あまりに渡り受け継がれてきた秘伝のたれが自慢の焼き鳥店。最高級のパウダースノーを味わった夜に食してみてはどうだろう。
「これまで競技生活が長かったから常にライディングが中心にあって、旅自体は楽しめていなかったように今振り返ると感じます。競技から離れた最近ようやく、いろいろな旅とスノーボードを絡めて体験できるようになってきました。そうした中で、OMOレンジャーと一緒に街を経験することで違った魅力を味わえるというのは、ひとつのオプションになりますね。同じ敷地内ですべてを楽しめるトマム、そして、いろいろな場所に赴いて楽しめる旭川。こうした対照的な旅をロードトリップできたことが、本当に最高の経験でした」
NAVIGATOR
藤森由香
Yuka Fujimori
生年月日: 1986年6月11日
出身地: 長野県長和町
スポンサー: BURTON、ABSOLUTE PARK、OAKLEY、GALLIUM
問い合わせ:
星野リゾート OMO7旭川
TEL 0166-29-2666
omo-hotels.com/asahikawa/