BACKSIDE (バックサイド)

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COLUMN

雪不足の不安から、ディープパウダーの歓喜へ。チリ・アンデスが映し出す“不安定な冬”を考える

2026.07.18

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日本が真夏の3連休を迎えるなか、南半球ではスノーシーズンが進んでいる。

本来であれば、チリ・アンデスは世界中のスノーボーダーやスキーヤーが雪を求めて集まる季節だ。サンティアゴ近郊のゲレンデは、そんな南半球のスノーボードシーンを支える重要なフィールドでもある。

だが、そのチリで深刻な雪不足が報じられた。CNNによると、長期的な干ばつの影響により、サンティアゴ近郊の主要ゲレンデでは最大90%のコースが一時クローズとなった。中央アンデスでは平年に対して約60%の雪不足になっているとも伝えられている。

ところが、その後のアンデスにはまとまった降雪があり、現地からは一転してディープパウダーに恵まれた様子も発信されている。

雪山は、一度のストームで表情を変える。雪不足に沈んでいた山が、ひと晩の降雪で一気に息を吹き返す。乾いていた斜面が白く覆われ、待ち続けていたスノーボーダーたちが山へ向かう。その高揚感は、どの国のスノーボーダーにも共通するものだ。

ただし、急激な降雪は歓喜だけをもたらすわけではない。雪不足が続いた山に一気にまとまった雪が降れば、積雪は安定しにくく、雪崩のリスクも高まりやすい。ディープパウダーはスノーボーダーにとって最高の響きだが、その裏側には、雪の積もり方を見極める冷静さも必要になる。

降らないときは極端に降らず、降るときは一気に降る。こうした振れ幅は、遠い南半球だけの話ではない。日本の冬でも、同じような状況はすでに起きている。

思いきり滑ることが許されないフラストレーションを抱えながら、次のストームを待ち続ける。ようやく雪が降れば、誰よりも早く山へ向かいたくなる。その欲望は、時に冷静な判断を鈍らせるかもしれない。

雪不足の不安と、ディープパウダーへの歓喜。それらが隣り合わせにある不安定な冬を、世界中のスノーボーダーが滑っている。

text: Daisuke Nogami(Editor in Chief)
images: El Colorado and Valle Nevado / Instagram

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