BACKSIDE (バックサイド)

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COLUMN

雪は減り続けている。それでもスノー業界は、気候変動に対して本当に声を上げているのか。

2026.05.31

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アメリカの気候変動メディア「Yale Climate Connections」が今年3月、スノースポーツ業界と気候変動に関する踏み込んだ記事を公開した。その内容は、業界関係者には耳の痛い話だ。

記事執筆時点で、アメリカ西部全域のすべての河川流域で積雪量が平均を下回っていた。コロラド、ユタ、ワシントン、オレゴン、カリフォルニア、ネバダ。平年比15~65%という数字が並ぶ。シーズン中に閉鎖を余儀なくされたエリアもあり、スタッフの労働時間を削減したリゾートも多かった。

アスペン・スキー・カンパニーで26年間サステナビリティプログラムを率いてきたオーデン・シェンドラーはこう語っている。「壊滅的なシーズンだった。気候変動が進む世界では、異常な年が複数重なって続く可能性が高い」。

問題は雪不足だけではない。2000年から2019年の間に、アメリカのスノーリゾートはシーズン短縮や来客数の減少、人工雪製造コストの増大によって、合計50億ドル以上の損失を被っている。この数字は、温暖化が進むにつれてさらに膨らんでいく。

では、業界はこの問題にどう向き合っているのか。全米スキーエリア協会は「クライメート・チャレンジ」というフレームワークを設け、各リゾートが自発的に温室効果ガスの排出量を追跡・削減する取り組みを進めている。

しかし記事の分析によれば、その内容は脅威の規模と緊急性に見合っていない。たとえばゲレンデへの移動・通勤による排出量は計測対象に含まれておらず、リゾートによってはその数字が施設運営による排出量を上回るケースもあるという。

シェンドラー自身も認めている。「業界のサステナビリティ活動は、気候変動という地球規模のシステム問題の解決とは、何ひとつ結びついていない」。

雪が減っている。そのスピードに、業界の対応が追いついていない。もちろん、多くのリゾートや企業が取り組みを進めている。しかし、記事が問いかけているのは、その努力の有無ではない。

気候変動がスノースポーツそのものを脅かしている今、その危機感は本当に業界全体で共有されているのか。アメリカから投げかけられたこの問いは、日本の雪山やスノーボーダーたちにとっても、決して他人事ではない。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

 
画像はイメージです

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