BACKSIDE (バックサイド)

BACKSIDE (バックサイド)

https://backside.jp/column-181/
41258

COLUMN

平野歩夢と堀米雄斗──同級生の金メダリストたちが互いに切磋琢磨した小学生時代を思いながら子供たちに伝えた“変わらない原点”

2025.08.23

  • facebook
  • twitter
  • google

スノーボーダー・平野歩夢とスケートボーダー・堀米雄斗。ともに26歳。同級生であり、小学生時代に同じフィールドでスケートボードで切磋琢磨していたふたりが、ともに金メダリストとなった今、それぞれのやり方で次世代に火を灯している。
 
8月21日、東京・六本木に位置する東京ミッドタウンの特設ランプには、夏の陽射しと子供たちの熱気が交錯していた。「UNIQLO Next Generation Development Program with Ayumu Hirano 2025」に参加した歩夢は、兄・英樹、弟・海祝らとともにバーチカルランプを舞台にスタイリッシュかつダイナミックなライディングを披露。
 

灼熱の六本木で宙を舞った歩夢

 
イベント後のトークセッションでは50人の小学生と向き合い、“挑戦すること”の大切さを語った。
 

「いつまで自分が競技人生を続けられるかを考えたときに、今頑張るしかないなと改めて感じているので、なるべく子供の頃の気持ちを思い出して、これからもチャレンジし続けたいと思っています。大人にならなきゃいけないと思う反面、子供の頃の気持ちを持ち続けてチャレンジすることも大切だと思っているので、その中間を上手く保ちながら、常にハングリー精神を持ち続けることが大事だと思っています」
 
奇しくも同じ日に公開された女性ファッション誌「STORY」のYouTube動画では、雄斗が3人のキッズスケーターとトークセッションを展開。「スケボーを始めたときと比べて、今のほうが楽しいですか?」という子供たちの質問に対して、次のように真摯に答えた。
 

「楽しさの感じはちょっと違うけど、小さい頃は何も考えずにがむしゃらにスケボーをしていた。今はプレッシャーもあるし、考えることも多い。でもそのぶんスキルも上がって、新しい技ができたり、仲間と滑っているときはめちゃめちゃ楽しい」

 
そう語る彼の表情には、子供の頃と変わらない“楽しむ”気持ちがそのまま宿っていた。

幼い頃、同じ空気のなかで滑り合ったふたりが、いまは違うステージで、ライディングだけでなくそれぞれの言葉で次世代に夢を与える。子供の頃から変わらない、“挑戦すること”と“楽しむこと”を胸に秘めながら。
 
世界の頂点を極めてもなお原点を忘れず、進化を止めないその姿勢が、また次の夢を生んでいく。歩夢はオリンピック2連覇に向け、幼き頃に描いた夢の続きを歩み続けている。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

RECOMMENDED POSTS