BACKSIDE (バックサイド)

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COLUMN

14年前は男子の壁だった1440は現在、女子ビッグエアの明暗を分ける技。ヤマトナデシコが魅せる美4回転

2025.08.14

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東京ドームで国際大会が行われていた2008年。最後のビッグエアでは1260の空中バトルが展開されたが、完成度はまだ高くなく、優勝トリックは1080だった。

その後、アジアのビッグエア国際大会は経済成長を背景に中国へと舞台を移し、2010年からはショーン・ホワイトが冠の「AIR+STYLE」が北京で開催される。初年度は1260合戦、翌2011年12月の大会ではダブル・バックサイドロデオ1260が優勝トリックとなったが、ステール・サンドベックが放ったバックサイド1440が印象的だった。

同じく2011年1月、米コロラド州アスペンでの「X GAMES」ビッグエアでは、トースタイン・ホーグモが史上初のフロントサイド・トリプルコークで優勝。今のそれよりも縦軸が強い3Dスピンで、回転数は1260。「鳥の巣」と称される北京国家体育館にやぐらを組んでキッカーを設置したAIR+STYLEとは異なり、ゲレンデに設けられた巨大キッカーでも当時はまだ1440が主流ではなかった。滞空時間が長いほど高回転スピンが生み出しやすいのは言うまでもない。

あれから14年──今や1440は女子ビッグエアシーンの表彰台を争うキートリックとなり、日本の村瀬心椛と深田茉莉が、その完成度と表現力で世界をリードする。現在、オーストラリア・スレドボで開催されているパークセッション「THE STOMPING GROUNDS」に参加している両名は、最新動画をInstagramにポストした。心椛は空気を切り裂くように超絶ロンググラブで4回転を操り、茉莉はインディからテールボーンへと流れるようにつなぐ美しい1440を魅せる。

ミラノ・コルティナ五輪まで、残り半年。女子ビッグエアの最前線で、ヤマトナデシコたちが世界を牽引している。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

 

 

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