BACKSIDE (バックサイド)

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COLUMN

オリンピック2大会連続金のハーフパイプ女王が復帰宣言。女子パイプが面白くなる

2023.08.20

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平昌、北京五輪とハーフパイプ種目で2大会連続金メダルを獲得した、言わずと知れた女王クロエ・キム。1年間の休養を経て、プロスノーボーダーとして雪上復帰することをSNSで発表した。
 
彼女が投稿した全文の和訳を以下に記すので、まずはご一読いただきたい。
 
「ハッピーマンデー! 私はトレーニングを再開するにあたり、わずかに残された最後の休暇を楽しんでいます。ご存知のように、昨シーズンは心と身体を休めるため、スノーボードの活動をお休みしていました。北京五輪のあと、かなり燃え尽きてしまったため、引退について本気で考えたこともありました。しかし、その気持ちは私が若い頃に自分の欲求をないがしろにし、アスリートとして最高のパフォーマンスをすることだけを優先してきたことに起因しているのだと、すぐに気づくことができました。この1年間の休養は、すべてを把握するために必要不可欠な時間でした。自分自身について多くのことを学び、ようやく雪上に戻る準備が整ったと感じています。みなさんの変わらぬサポートに感謝しています。私にとってかけがえのない存在です」
 
13歳で出場した「X GAMES」で銀メダルを獲得したことを皮切りに、飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長してきたクロエ。オリンピックやX GAMESの金メダルと引き換えに、多感だったティーンガールとして失ってきたものも多かったのだろう。しかし、1年の休養を経て、クロエはさらに強くなって戻ってくる。
 
多くのタイトルとキャリアを積み重ねてきた彼女だが、まだ23歳。元女王としてハーフパイプ界を牽引してきたケリー・クラークが35歳まで現役コンペティターとして活躍していたことを鑑みると、彼女の競技人生はまだまだこれからだ。
 
しかし、クロエが休んでいた昨シーズン、14歳のチェ・カオンが彗星のごとく現れた。圧倒的な強さを誇るクロエに対抗できる、韓国期待の新星だ。15歳となって迎える23-24シーズン、年齢制限があってこれまで出場できなかったFIS(国際スキー・スノーボード連盟)主催のワールドカップにも参戦できるようになる。
 
ライバル関係であることに違いはないが、韓国系アメリカ人のクロエとは仲睦まじい関係性であり、昨シーズンのX GAMESを制したチェがその報告をSNSに投稿すると、拍手とハートの絵文字でコメント。さらに、クロエの父はチェがアメリカで練習するための環境づくりを手伝っている。家族ぐるみで親密な付き合いのようだ。
 
このふたりに、昨シーズンのワールドカップで3勝し、FIS大会の女王の証であるクリスタルグローブを獲得した小野光希や、北京五輪で銅メダルを獲得し、クロエと同じく1年休養していた冨田せなら日本人ライダーたちがどこまで食い込めるか。きたる23-24シーズン、女子ハーフパイプシーンが面白くなる。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

 

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