COLUMN
降雪が豊富なシーズンだからこそスイス人ライダーの雪崩映像に学ぶ
2021.01.08
スイス人ライダーのマット・スカエルは、自身のInstagramに雪崩を引き起こしてしまった動画を投稿し、その経験を踏まえて学んだ教訓についてコメントしているので、日本人スノーボーダーにもシェアしたい。
昨年1月31日、高気圧が4週間も持続した後、大雪により一面がパウダースノーに覆われた。しかし、局地的に雨に見舞われてしまい、残されていた斜面がこのモン・ゴーティエ(ベルギー)の東壁だったそうだ。1本目のランでは雪面が動くことはなかったが、2本目のランで雪崩に巻き込まれることに。
この経験を通じてマットは、次のようにコメントしている。
1. 「1ヶ月間待っていたこともあり、撮影でパウダーを滑ることに気合いが入りすぎていた。撮影当日の朝は風が強く、そして気温の上昇が早かった。もっと安全なコンディションを待つことが懸命な判断だったのだろう」
2. 「10年前から毎年、この場所を訪れている。雪崩を目にしたことはあったが、もっと小規模なものだった。これほどまでに大規模な雪崩が起こるとは思ってもいなかったんだ。この場所をよく知っていると思っていた僕は過信していたのさ」
3. 「2本目のランは完全に油断していた。太陽が雪面を照らしていたのだから、気を抜くべきではなかった」
4. 「1mほどの深さにスノーピットで識別できる弱い層があったのかもしれない」
マットは無事に脱出できたことを「非常に幸運だった」としたうえで、上記の4つの教訓を強調している。経験豊富なバックカントリーのエキスパートであっても、自然相手では危険性を免れることはできない。
今シーズンは降雪に恵まれているからこそ、兜の緒を締めてライディングに臨みたいものだ。