COLUMN
スタイルやカービングなどフリースタイルの根幹をなすハーフパイプの必要性
2019.03.25
近年は数える程度しか国内に存在しなくなってしまったハーフパイプ。ニーズの減少や維持管理に莫大なコストがかかるなどの理由が挙げられるのだろう。
しかし、ハーフパイプはフリースタイルの要素が多く凝縮された特別なフィールドであり、草創期の日本には全国津々浦々にハーフパイプが存在した。現在のスーパーパイプに比べたらサイズは半分以下、カタチはお世辞にもキレイと言える代物ばかりではなかったが、往年のスノーボーダーたちは若かりし頃にトランジションで切磋琢磨してきた背景がある。だからこそ、年齢を重ねた現在も多様なフィールドで遊び方が上手いのかもしれない。
本記事では現役のコンペティターであるヤン・シェラーと、第一線からは退いているが表現者としてスワローテールのボードでハーフパイプを駆るなどで知られるマーカス・ケラーが、地元のスイス・ラークスで共演する動画をピックアップ。本ムービーをキッカケに、失われつつある価値を再定義したい。
語弊を恐れずに言えば、いつしかハーフパイプは滑るフィールドではなく、観るスポーツと化してしまったのではないか。滑り手のレベルによってサイズは選ぶが、スーパーパイプを除けば闘う舞台である以前に、フリースタイルスノーボーディングを楽しみながら学べる格好のフィールドであるということを改めて知ってもらいたい。