COLUMN
“スノーボードの神”と称されるテリエからのお告げ。ヘルメットの重要性
2018.12.20
現代スノーボードにおいて、トリプルオーバーヘッドやトリプルコークなど、エアの高さや回転数、回転軸がすさまじく進化しているスノーボード競技において、ヘルメットの装着は必要不可欠である。
しかし、1998年の長野五輪から正式種目として採用されたハーフパイプ競技では、ヘルメットの着用が義務づけられていなかった。2002年のソルトレイクシティ五輪にフィンランド代表で出場したヘイキ・ソーサがモヒカン頭で宙を舞っていたことを覚えているという読者諸兄姉も少なくないかもしれない。2006年のトリノ五輪からヘルメットの着用が義務づけられることになるが、それ以前はエアの高さやトリックの難易度が低かったからという理由だけでなく、ストリート文化に後押しされる格好で雪山を席巻したスノーボードだけに、ヘルメットをかぶることに対する嫌悪感が少なからずあったに違いない。
当時、現在ではミニパイプと称されるスペックのハーフパイプで腕に磨きをかけていた世代は40代に突入し、パークから姿を消してバックカントリーやサイドカントリーでの出没率は上がっていると思われるが、ヘルメットの着用率はどうだろう。
社会的地位が高くなり、一家の大黒柱として家庭を支えているのだからケガなんてできない。だからこそ、柔らかいフィールドを求めているという人もいるのではないか。そうしてパウダースノーに魅了され、新雪が降り積もった山々の木々を縫って滑りたいという欲求に掻き立てられている人も多いはずだ。
そんなあなたは、生ける伝説、テリエ・ハーカンセンの言葉に耳を傾けていただきたい。
「後知恵は頭のケガに役立たないけど、ヘルメットはしっかり守ってくれる。しかも、ヘルメットは頭のケガを守ってくれるだけじゃない。オレにとってのヘルメットは、あらゆる天候や障害物からも守ってくれる重要なツールなんだ」
後になって気づいてからでは遅い、ということだ。後悔先に立たず。シーズン序盤だからこそ、改めて考えてほしい。