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COLUMN

「猛暑の年は豪雪になる説」を検証

2018.08.13

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夏が暑いと冬は豪雪になる。そんな迷信のような話題が飛び交っているのを耳にしたことがある、というスノーボーダーは少なくないだろう。夏の暑さに関わらず降雪を期待してしまうのがスノーボーダーの性ではあるものの、ここまで暑いと実際にどうなのかは気になるところ。そこで、少しだけ調べてみることにした。
近年で記録的な猛暑に見舞われた夏は、2010年と2013年が挙げられる。2010年は「観測史上もっとも暑い夏」と言われており、特に8月は「観測史上もっとも暑い1ヶ月」とも呼ばれるほどだった。
また、2013年は7、8月に東・西日本を中心とした全国的な猛暑に見舞われ、特に8月12日には高知県四万十市江川崎で最高気温が41℃を記録し、当時の日本歴代1位(2018年7月23日に埼玉県熊谷市が41.1℃で記録更新)となった。
そこで、2010-11シーズンと2013-14シーズンの冬がどうだったのか、気象庁の報道発表を以下に抜粋してみることに。
 
2010-11シーズン(2010年12月から2011年2月の天候の特徴)
・12月終わりから1月末にかけては日本海側で大雪が降り、ほぼ全国で低温となった
・気温の低い時期と高い時期との対照が明瞭で、北・東日本は暖冬だった
・沖縄・奄美では15年ぶりに寒冬となった
※詳細は気象庁ホームページ
 
2013-14シーズン(2013年12月から2014年2月の天候の特徴)
・東日本と沖縄・奄美は寒冬
・日本海側は一部地域を除いて少雪
・太平洋側では大雪に2度見舞われ、関東甲信地方を中心に記録的な大雪となった
※詳細は気象庁ホームページ
 
昨シーズンはラニーニャ現象の発生により、全国的に記録的な大雪となった。そのラニーニャ現象は2018年6月に終息したと発表されているため、「観測史上類を見ない猛暑」とされる今夏の記録的な暑さとの因果関係はない。しかし、観測史上もっとも暑い夏と言われた2010年の場合は、夏に差し掛かる頃からラニーニャ現象が始まっていたことが猛暑の原因と考えられている。
今年8月10日に発表された気象庁のエルニーニョ監視速報によると、現在はエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態であり、秋はエルニーニョ現象が発生する確率を60%と予想している。エルニーニョ現象はラニーニャ現象の反対になるため、この現象が続くと冬は暖冬傾向になるとされているのは周知の事実だろう。
このエルニーニョやラニーニャ現象に加えて、北極振動などの影響も加味しなければならないことから、冬の気象予測は難しいとされている。北極振動とは、北極上空の気圧が平年よりも高くなると日本などの中緯度帯は低くなるため寒気の流れ込みが激しくなり、北日本や東日本では大雪の日が多くなるなどの現象を指している。
雪の降り方に違いはあれど、猛暑となった2010年(2010-11シーズン)と2013年(2013-14シーズン)の冬はともに豪雪(平成23年豪雪平成26年豪雪)となったのは事実。今年の夏は間違いなく猛暑である。はたして、2018-19シーズンは僕たちスノーボーダーにとって“当たり年”になるのか。2018年9月25日には気象庁の3ヶ月予報が発表されるので、引き続き検証していきたい。

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