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REVIEW
片山來夢の滑りはなぜスタイリッシュなのか。そのヒミツは“手”にあった
2020.01.07
今回は、明日からのキミのライディングが大きく変わるかもしれないグローブを片山にレクチャーしてもらう。濡れない、蒸れない、冷たくない、さらにカッコいい。そんなグローブがここに揃った。
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FOR FREERIDING
FOR FREERIDING
- ▷サイズ: S~XL
- ▷カラー: TRUE BLACK、TENDER SHOOTS、CASTLEROCK、CLASSIC BLUE
- ▷価格: 14,300円
滑りで表現するために手のアクションは欠かせない
「フリーライドするなら、ゲレンデをリラックスしてカービングしたり、春雪でスラッシュしたり、そんなシチュエーションが気持ちよくて好きですね。暖かい気候のもと、ジャケットを脱いだシャツスタイルで滑る場合はコンパクトなシルエットで一体感をもたせたいので、グローブはかさばらない点を重視して薄手のものを選ぶことが多いですが、ぴったりとフィットして内部の熱を逃がさないこのグローブはハイシーズンにも適しているんです。自分はカービング時に雪面に触れたりハンドプラントをしたりと手を積極的に使うので、薄手ながら温かく、高い防水機能を備えたGORE-TEXグローブは本当に重宝します。また、バインディング脱着はもちろん、撮影や音楽を聴くためのスマートフォン操作など、ストレスなく指先を動かせることも重視したい。そのような自分のフリーライドシーンでは、“外からの水分は通さず汗の水蒸気だけを逃がす軽量素材”である、GORE-TEXグローブの特長をたびたび実感していますね」
FUNCTIONALITY
ラインナップ中、より薄い作りのこのトリガーグローブはGORE-TEX素材のもつ薄さと軽さを最大限に活かしたすっきりとしたシルエットが特徴で、激しい運動時の透湿性をより高めて長時間ドライな状態をキープするGORE ACTIVE機能を備えている。おもに手のひらに使用されたGNAR GUARDレザーは、革素材にありがちなゴワつきを感じさせることなくソフトなグリップ力を実現。ミトンに近い着用感で保温性があり、人差し指を独立させることにより、5本指のような繊細な操作性もかなえている。このようにファッショナブルでありながら手先の自由度を格段に高めることに成功している点が、ファッション性と機能性の両立を求めるライダーたちから多くの支持を得ている所以。ミトンと5フィンガー両タイプのメリットを持ち合わせたトリガーは、リラックスしたフリーライドに最適だと、片山は語る。
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GORE-TEX ACTIVEグローブの特徴として熱管理が改善されているため、激しい動きをしても内側にこもる湿気を最小限に抑えることができる。よって、グローブ内は常に快適だ
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摩擦に強いGNAR GURADレザーを採用。また、SCREEN GRAB®を搭載しているので、寒いなかグローブを外さなくても完璧なタッチスクリーン操作を実現する
FOR PARK & HALFPIPE
FOR PARK & HALFPIPE
- ▷サイズ: XS~XL
- ▷カラー: TRUE BLACK、FLAME SCARLET、BOG HEATHER、DENIM、WORN CAMO
- ▷価格: 12,100円
トリックを際立たせる5本指にこだわりたい
「これは今季一番のお気に入りで、5本指でゴツめのデザインが魅力です。ウエアの外に出してドローコードを絞るオーバータイプと、ウエアの袖にしまえるアンダータイプの両方があるので、天候や好みによって使い分けられるのがうれしいですね。暖かい春先にはシャツにアンダータイプを合わせたりもしますが、基本的にはオーバータイプを好んで使っています。自分は子供の頃から父親の影響でビデオやフォトブックをよく見ていたので、当時のスタイルにかなり影響を受けているんですよね。昨今の大会ではミトン派が多いから、往年のライダーがしていたようなこのグローブを着けると、自分だけ手がデカくてすごく目立つし、メソッドなどのオールドスタイルなライディングも一層際立つ気がします。パークやパイプでは、自分の中でのこだわりや納得いくスタイルを持ち続けていたい。その思いを、このグローブが満たしてくれます。カッコよく滑るなら指の先まで徹底的に極めたいですから」
FUNCTIONALITY
スタイリッシュなトリックが優先されるパークやパイプでは、指先にまでこだわりたい。そんな思いを抱く片山を唸らせた5フィンガーグローブがこれ。防水性、防風性、透湿性をさらに高めたGORE-TEXメンブレーンと高い保温性を誇るGORE PLUS WARMテクノロジーのコンビネーションで、シーズン全般のあらゆるコンディション下で、そのハイレベルな快適性を感じとることができる。ミトンに比べて通気性のよい5フィンガーは同時に冷たさを感じやすいという点も指摘されがちだが、熱を奪う水分を身体から素早く逃がす起毛マイクロファイバーライナー、手指のフレキシブルな動きを妨げずに温かさをキープするインサレーションにより、その問題を解決している。季節や気候ごとに起こる多様な問題に充実のテクノロジーが素早くフィットしてくれるため、ワンシーズンまるごと委ねることができるグローブと言えよう。
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GORE PLUS WARMが採用されているため、現在提供されているGORE-TEXグローブのなかではダントツに温かい。長時間に渡って快適さをキープする
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起毛マイクロファイバーライナーを使用。マイクロファイバー特有の透湿性により、熱を奪う水分を逃がす効果が得られる
FOR BACKCOUNTRY
FOR BACKCOUNTRY
- ▷サイズ: XS~XL
- ▷カラー: FLAME SCARLET、BOG HEATHER、TRUE BLACK、DENIM、WORN CAMO
- ▷価格: 12,100円
寒さも暑さも、とにかく快適に乗り切りたいから
「先シーズン、初めて挑戦したバックカントリーでかなり活躍してくれたミトンです。バックカントリーではシチュエーションによって複数のグローブを使い分けるという方法もありますが、自分はバックパックには最低限の荷物だけを収めたいので、グローブはいつも1個だけ持っていきます。だからこそ、温かさを長時間キープできることは必須条件。フリーライドやパークセッションに比べて、バックカントリーでの寒さはパフォーマンスの敵となるので、雪の浸入を防ぐオーバータイプでハイレベルな保温性と透湿性を持ち、表面に雪がつくことなく常に温かくいられるこのモデルがぴったりです。もうひとつのこだわりは色。バックカントリーのライディングは写真や映像に残すことが多いので、ダーク系やアースカラーのように背景に同化しやすい色のウエアを着た時は、このレッドのような発色のよいカラーを差し色にして、ライディングに見た目のインパクトもプラスできるように意識していますね」
FUNCTIONALITY
これまでコンペシーンを主戦場としていた片山にとって、昨シーズン経験したバックカントリーの寒さはケタ違いだったそうだ。寒がりを自認する彼が、初めて経験する様々なアクションをこなして出した答えが、このミトングローブ。“ハードワークであればあるほど、水や風を通さずに汗の蒸気だけを逃がし、蒸れずに寒さを防ぐGORE-TEXメンブレーンの効果を実感できた”という彼の言葉どおり、深い雪の中を長時間歩き続けたり、その先でジャンプを作ったり、休憩や待ち時間を過ごすといったライダーの多角的な活動をトータルにサポートできることが証明されたグローブだ。さらに、片山が“雪がまったくつかない”と言うほど高く評価する、BURTON独自のDRYRIDE™テクノロジー搭載の防水透湿素材アウターシェルにより、装着感は驚くほど軽くてしなやか。THERMACORE™インサレーションは体熱をしっかり含んで逃がさないから、手元の動きを妨げることなく上昇・降下を繰り返す体温にしっかり対応してくれる。このグローブが、特に寒さを嫌うライダーから圧倒的な支持を得ている理由は、着けた者だけが得ることのできる絶対的安心感、これにほかならない。
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インサレーションの層により最大限の温かさと快適さを提供。GORE PLUS WARMは、バックカントリーツアーなど寒い状況で活動時間の長い場合に最適な機能だ
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GORE-TEXの生命線とも言えるメンブレーンと称される超極薄フィルム。このフィルムを生地に貼り合わせることで、雨や雪などの水分が内部に染み込むことを防ぐ
rider photos: Akira Onozuka, kentaRAWmatsuda / product photos: ZIZO / text: Michiko Naruse
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片山來夢(Raibu Katayama)
生年月日: 1995年5月4日
出身地: 静岡県焼津市
ブランドサイト: www.burton.com
ブランドサイト: www.gore-tex.jp