BACKSIDE (バックサイド)

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OAKLEY

日米の信頼関係がブランドの根幹にあるソルトレイクシティ発日本人向けアイウエア

 
スノーボーダー向けだとうん万円するサングラスがあふれる中、偏光レンズを搭載した全8モデルすべてが4,000~6,000円代と、圧倒的なコストパフォーマンスの高さを誇る。米ユタ州ソルトレクシティ発のアイウエアでありながら、なぜか日本人の顔にジャストフィットする。プロスノーボーダーのクリス・ベレスフォードが2008年に立ち上げたアイウエアブランド、DANG SHADES(ダン シェイディーズ)だ。

ブランド設立当時21歳だったクリスは、家賃や食費、ガソリン代を支払い、そして、リフト券を買うために必死だった。だからこそ、自らのように家族から経済的な援助を受けていない若いスノーボーダーたちに向けて、妥協のないプロダクトを手頃な価格で提供することに常にこだわり続けている。クリス自身は欲がない男。車にガソリンが入っていて、屋根のある家に住めれば、それ以上は求めない。利益をユーザーに還元しているからこそ、低価格でハイクオリティなプロダクトの提供を実現しているわけだ。

また、ラインナップのほとんどが、欧米人ではなくアジア人の顔にフィットするアメリカブランド、という違和感。これは、日本の販売代理店であるビジュアライズイメージ社が商品を国内に流通するだけにとどまらず、クリスとの信頼関係が非常に厚いからこそ、ともにブランドを盛り上げるために日本向けのプロダクト開発を行っているからだ。

スノーボードビデオ全盛期、同社は世界中の映像プロダクションの作品を輸入販売する事業を営んでおり、ビデオやDVDを問わず字幕制作などの作業が必要になるため、海外プロダクションから大切なマスターを預かり、複製して流通販売を行っていた。大手プロダクションだったMACK DAWG PRODUCTIONS、STANDARD FILMS、ABSINTHE FILMSなどを取り扱う中、クリスが所属していたTHINK THANKも名を連ねていた。クリスはその仕事ぶりを知っていたのだ。

「THINK THANKとやってきた形と同じだよね。ジェシー(バートナー / THINK THANKのプロデューサー)と上手くやっていたのを見てきたし、ほかの大きなプロダクションとも信頼関係を築いていたのは知っているよ。だからこそ、DANG SHADESの日本販売を手伝ってほしいんだ」

こうしたクリスの信頼に応えられるようコミュニケーションを密にとりながら、2012年に日本展開をスタート。その翌年、国内で工場を選定しオリジナルの金型を製作し、2014年にはアジアンフィットモデル「LOCO」の展開をスタートさせた。その後、「SELECT」「PRON TO」をリリースし、2025年から「ALL TERRAIN JP」が新たにラインナップに加わる計画だ。日本市場でシェアを拡大し続けている。

さらに、24-25シーズンから金型を日本独自で開発したゴーグルが登場。昨シーズンまではアメリカと同じ仕様だったが、将来を見据えるとサングラスと同じフローがベストであるとの見解がクリスと一致した。

「やりがいしかありません」と、ビジュアライズイメージ代表の小川忠博氏は力強く語る。アメリカのニオイがふんだんに漂うジャパンクオリティのDANG SHADES。現在ではスノーボーダーだけでなく、スキーヤー、アングラー、キャンパー、バイカー、クライマー、ランナーなど、スポーツやアウトドアを愛する多くの人々から多大なる支持を集めている。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

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