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白馬のバックカントリーでCREWの絆がさらに深まった「BACKSIDE SESSION #6」ルポ
2022.06.22
2021年10月下旬からスノーボードコミュニティ「BACKSIDE CREW」の参加者を募りはじめ、今年4月末の時点で452名のスノーボーダーが参加してくれている。12月から3月にかけて雪上イベント「BACKSIDE SESSION」を5回開催し、確実に参加できるFRESHFISH(有料会員)と当選した一部のSTALEFISH(無料会員)のメンバーたちとライディングセッションを重ねてきた。さらに、FRESHFISHメンバーとは毎月オンラインで「BACKSIDE TALK SESSION」を行ってきたこともあり、コミュニティの絆が強固なものになってきたと感じている。
そうしたコミュニケーションからBACKSIDE CREWのイベントが生まれることもある。4月上旬に開催されて大きな話題を集めた「UZUMAKI」内で撮影会をやろうというアイデアが出たので実際に行うと、世界のKazuこと國母和宏とCREWが絡む場面もあった。さらに、BACKSIDE SESSIONの締めはバックカントリーでの残雪セッションがいいんじゃないか、という話題になり即決。バックカントリーということも踏まえて、オンスノー編の最終回はFRESHFISHメンバー限定で開催することに。4月24日、長野・白馬を拠点に活動するバックカントリーガイドクラブ「番亭 ~Bamboo tail~」のツアーに参加することにした。
2021-22シーズンは豊富な降雪に恵まれたものの、4月に入ると気温が上昇し、白馬でも23℃を超える日もあったそうだ。急ピッチな雪解けのため選択肢が限られる中、番亭のボスでありK2 SNOWBOARDINGのチームライダー・竹尾雄宇さんは栂池のバックカントリーをチョイス。CREW一行は集合場所から栂池高原へと車を走らせた。
本セッションの参加メンバーは、曽根和広(ソネチン)さん、冨内俊卓(トシ)さん、山口卓哉(タクヤ)さん、三熊直樹(クマ)さんのおなじみの面々に加えて、#2の北信セッションに参加してFRESHFISHに加わってくれた岩倉宏徳(イワクラ)さん、#3の栂池高原セッション以来の参加となったノブ、そして、言わずと知れた片山來夢の父・渉(ワタル)さんがついに初参加。テールガイドには笠原綾乃さん、4月から新卒でBACKSIDEにジョインした西村悠友、フォトグラファーのZIZO、そして僕の総勢12名でゴンドラリフトに乗り込んだ。
ゴンドラを降りてペアリフトを利用するとゲレンデのピークに到着した。ハイクアップのスタート地点までトラバースして移動。スノーシューを装着する準備に取りかかった。
20分ほど登ると、開けたフラットなエリアに到達。ここは雪崩の危険性がないということで、竹尾さんによるバックカントリー講座が始まった。日本山岳ガイド協会認定ガイドであり、バックカントリー初心者からトップライダーに至るまで幅広くガイディングしてきた20年近くのキャリアを誇るだけに、とても勉強になった。気になる内容については、番亭のツアーに参加して耳を傾けてほしい。ビーコントレーニングなども含め、楽しみながら学ぶことができた。
急速な融雪により荒れていた斜面に苦戦しながらも、休憩を挟みながら1時間ほど登ると、目指していた斜面のピークに到着。ここを一本落としてから登り返し、もう一本滑ってゲレンデに戻るという工程だった。竹尾さんいわく、「シーズン後半なので登りも下りも難しい状況」という中、まずはお手本のランを披露してくれた。
20代ながらバックカントリーでの経験が豊富なノブは、スタイリッシュな滑りを披露。難しい斜面ながらも、流れるようなラインを魅せてくれた。
フロントサイド1080を操る経営者、40代のタクヤがドロップイン。FRESHFISHの中でも積極的に意見を発信してくれるアニキ肌のタクヤは、ライディングでも攻めの姿勢を崩さない。
そして、初参加となったワタルの滑りに、CREW一同が注目していた。オリンピアンのオヤジはどんな滑りをするのか? そんなプレッシャーがかかる中、年齢を感じさせない豪快かつ繊細な滑りで、荒れた斜面をものともせずに攻略していた。やはり上手い。
出発地点から見て反対側の斜面を滑り下りたため、気持ちよく滑った分だけ登り返さなければならない。再びスノーシューを履いてボードをバックパックに装着した。左ヒザに爆弾を抱えている筆者だが、なぜかハイクアップする足どりは軽かったような気がする。暑すぎることもなく、寒くないから身体がよく動き快適だったこと。加えて、FRESHFISHのメンツと過ごす時間が楽しかったこと。この2点がその理由なのだろう。小走りで駆け上がり、Instagramのストーリーズ用にこの瞬間、iPhoneのシャッターを切っていた。
滑り出した尾根に戻ると休憩を挟み、ZIZOがドローンを巧みに操り記念撮影(アイキャッチ画像)。この時点で時計の針は14時を過ぎていた。後半戦はソネチンの美ライディングからスタート。軽快なターンを刻むたびにコーンスノーが舞い踊っていた。
1月上旬に開催した#2の北信セッションでは、ソネチンのシグネチャーボードを引っ張り出してきて参加していたトシ。今や、ソネチンとマブダチ(死語)のような関係性を築いている。#5の川場セッションではバックサイドロデオを繰り出すなど、40代後半とは思えないアグレッシブな滑りは、春のバックカントリーでも健在だった。
今シーズンはケガに苦しめられていたクマとイワクラも、シーズン後半に見事アジャストさせてきた。本調子とはいかなかったのだろうが、思い思いのラインを刻みながら、滑れる喜びを噛み締めている姿が印象的だった。
2本目のランの撮影を終えて、残された斜面もわずか。最後はパーティーランで締めくくった。
テールガイドを務めてくれた笠原さんから、「みなさん、登りも滑りもとても上手で、テールガイドとして本当にやることがないくらいでした(笑)」とお褒めの言葉をいただきながら、CREWと番亭のコラボセッションは無事に終演。
面ツルのコーンスノーでパウダーのような浮遊感が最高!とはいかなかったものの、シーズンを締めくくるセッションとしては最高だった。それは、リフトを利用して流しながらゲレンデでセッションするよりも、FRESHFISHのメンバーたちと密にコミュニケーションをとることができたから。とにかく笑いが絶えなかった。そして、バックカントリー経験者も多かったが、そのリスクについて改めて学び、より深く知ることができたから。
オフシーズンもBACKSIDE SESSIONを行っていくので、ぜひ僕たちの仲間に加わってほしい。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: ZIZO=KAZU
special thanks: Bamboo tail
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