BACKSIDE (バックサイド)

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https://backside.jp/backside-session18/
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CREW

「光ヶ原キャットツアー」は超贅沢な大人の遠足。“THE DAY”となった「BACKSIDE SESSION #18 with BURTON」

2025.09.30

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今年1月下旬、昨シーズンの第1弾として読者スノーボーダーのコミュニティ「BACKSIDE CREW」によるセッションイベント「BACKSIDE SESSION」を開催した。これまではゲレンデで行うことがほとんどだったが、今回は新潟・上越の光ヶ原高原で行われている「光ヶ原キャットツアー」に参加。ご存じの方も多いだろうが、このキャットツアーは日本スノーボード界の草分け的存在として知られる竹内正則(マサさん)がディレクターを務めている。
 

レジェンド、竹内正則が手掛ける日本が世界に誇るキャットツアー

 
その息子でありBURTON(バートン)チームライダーの悠貴に誘われて一昨シーズン、筆者は本キャットツアーに初参加。リアルなバックカントリーをガイドとともに滑ることができるこのツアーで、30年以上のスノーボード人生で初となるシュートを滑るなど、経験値が大幅にアップした。その際、来シーズンはBACKSIDE CREWに来てもらいたいという、うれしい提案をいただき実現した格好だ。
 
昨年9月にCREW限定9名で募集をかけると即完売。日曜のどこか空いている日でなんとなく選んだだけなのだが、当日CREWから「BACKSIDEもってる!」と称賛の嵐。前日まで降雪があり、当日の朝は晴れ間がのぞいていた。CREW一同、テンションの高まりを抑えきれない様子だった。
 

数々の極上の斜面がCREWを待ち受けていた

 
まずはブリーフィング。マサさんから注意喚起も含めて期待感が高まる言葉をいただくと、CREWたちは童心に帰ったかのように目を輝かさせていた。早速キャット(雪上車)に乗り込み、大の大人たちがはしゃぎまくり。ガイドしてもらう斜面の想像を膨らませながらバトルトークを繰り広げたかと思えば記念写真を撮ったりと、あっという間に最初のポイントに到着した。
 
「足慣らしに一本」とマサさんは冷静に言うものの、CREWたちは少し戸惑いの表情を浮かべる。山中にテント泊でもしないかぎり、朝イチの一本目ではなかなかお目にかかれないワイルドな斜面が待ち受けていたからだ。まずはマサさんがお手本とばかりにドロップイン。リラックスしたライディングの中に力強さが感じられる、大御所ならでは存在感を放っていた。
 

「大人の貫禄」漂うパウダーライディングを目の当たりにしたCREWたちは大興奮だった

 
悠貴もガイドとして同行してくれた。長野・白馬八方尾根の天候や雪面状況により急遽、このセッション翌日に「FREERIDE WORLD TOUR HAKUBA QUALIFIER 4*」が行われることになってしまったため、本来はインスペクションをしなければならない日だったにもかかわらず、である。20歳の現役フリーライダーの滑りに、40代以上が中心のCREWたちは虜になっていた。
 

20歳とは思えない洗練された滑り。それでいて、ラインどりはアグレッシブ

 
午前中に4本、ランチを挟んで午後に2本、贅沢すぎる時間を過ごすことができた。滑り以外でもランチでいただいた豚汁が、これまた絶品。メローなラインが描けるツリーランから、手に汗握るスティープな斜面に至るまで、ハイクアップすることなく堪能できた。このツアーに参加しなかったら数年かかってしまうかもしれない経験を、わずか5時間ほどで一気に体験することができたのだ。40代以上が中心のCREWだが、この日だけで加速度的にパウダーライディングが上達したのでは?
 
本キャットツアーの魅力や光ヶ原高原のポテンシャルの高さを、本記事を読んでくれているみなさんと等身大である、BACKSIDE CREWの言葉から感じてほしい。
 

「まさに、ゲレンデでは味わえないスノーボード体験。マサさんは滑りからは想像がつかないほど優しくて丁寧な方でした。CREW全員が失敗してランディングバーンが荒れていたのに、見事メイクした悠貴くんのメソッドはさすが!」──岩倉宏徳

 
 

「この日全体を通して幸せな時間を過ごせました。実際に山全体がプライベートな空間だったので、とても贅沢でしたね。思っていた以上に本数を多く滑れたのもよかった。メローなラインも刺激的なラインもあり、いい経験ができました」──ノブ

 
 

「朝イチの1本目のライド、いきなり気持ちよかった……。贅沢なセレブボーディングだと想像していましたが、予想どおり。パウダーライドを十分に味わえる素晴らしいツアーでした。マサさんは自分にとってスーパーレジェンドで、目指すべきカッコいい大人ですね」──佐藤潤一

 
 

「FREERIDE WORLD TOURに参加するだけあって、悠貴くんの滑りはラインどりからスプレーの飛ばし方まで、さすがでした。最後のメソッドトゥイークはめちゃくちゃキレイでカッコよかった。限られた人数で広大なエリアを滑れるのは贅沢すぎましたね。ランチの豚汁も最高すぎた」──星 貴浩

 
 

「同じピークからいくつかのラインを落とすイメージでしたが、まさか6本ともすべて違うラインとは、フィールドの広さに驚かされました。雪質もほどよい軽さで、とても滑りやすかったですね。マサさんの言葉には、端々に滑りに対する愛情が滲み出ていたような気がします」──小倉精太

 
 

「BACKSIDE CREWの貸し切りだったので雰囲気もよく、互いにプッシュして盛り上げながら滑れたのが印象に残っています。普段はフルハイクで滑っているので、今回のキャットツアーではパウダーを数多く滑れて、自然地形を存分に楽しめました」──成瀬岳史

 
 

「悠貴くんのブッ飛びメソッドは、今でも脳裏に焼きついています。生涯忘れないジャンプのひとつになりました。初めての本格的なバックカントリーだったので緊張していましたが、日常を離れた冒険を体験できました。一期一会の斜面と向き合い、その一本に集中できる贅沢。最高でした!」──豊島雄樹

 
 

ほとんどがFRESHFISH(有料会員)のメンバーだったが、残っていた一枠を見事ゲットしたSTALEFISH(無料会員)の塚本周平さん

 
 

CREW最年少で編集部の元アシスタントを務めていた西村悠友は、BACKSIDEを通じてパウダーライディングがメキメキ上達。最近出戻り(笑)

 
 

BURTONマーケティングマネージャーの石原公司さんもツアーに同行。CREWもうなるほどの素晴らしいラインを刻んでいた

 
 

光ヶ原キャットツアーに2回目の参加だった筆者。どちらも大当たり。的中率100%

 
そして、6本目のラストランを迎える前に悠貴から、これまで滑った斜面にリトライするか、ジャンプできる新しいポイントのどっちがいいかを尋ねられ、即答でジャンプできるポイントに誘ってほしいとリクエスト。筆者も含め、飛びたいと願うオッサンが多いCREWだけに、その判断は間違っていなかったはず(?)だ。
 
いざ現場に行くと、アプローチからランディングは見えづらく、一般レベルで考えれば落差もそこそこある。みんないい大人だ。翌日からの仕事も含めて、ケガするわけにはいかない。普段滑っているフィールドではなかなか味わえない緊張感が漂っていた。
 
しかし気合いとは裏腹に、トライしたCREWは全滅。誰もメイクすることは叶わなかったが、ナチュラルヒットのジャンプを経験することでき、それぞれのスノーボードライフが上書きされたことは間違いない。そして、全員が見守る中、テイクオフするポイントからCREWたちの映像を撮ってくれていた悠貴がドロップイン。素人が飛びまくってランディングバーンが荒れていたことを理解していたので、さすがのプロでも立つことは難しいのでは?といった会話で盛り上がっていた。
 
そんな状況だったにもかかわらず、悠貴は特大のメソッド・トゥイークを放った。荒れた雪面にランディングすると足元をすくわれそうになるも、常軌を逸したバランス能力でリカバリーし、見事メイク。この瞬間、野太い声援が光ヶ原に鳴り響いたことは言うまでもないだろう。
 

悠貴自身は納得していなかったようだが、プロの滑りにCREW全員が心を奪われた瞬間

 
そして悠貴は、翌日早朝出発で白馬へ向かい、前出の大会で2位と表彰台を射止めたのだ。その結果を知ったCREWたちは興奮状態。改めて素晴らしいライダー、その父であるレジェンドライダーとともに、最高すぎる時間を過ごせたことを誇らしく感じた。
 
最高すぎた光ヶ原キャットツアー。手つかずのバックカントリーエリアを、マサさんと悠貴による的確なガイディングのもと、CREW全員が安心して全開で楽しむことができた。「もう来シーズンの予約をしよう!」、みなが口を揃えてそう語っていたほど。タイトルに綴ったように、まさに贅沢すぎる大人の遠足となった。
 
 
「BACKSIDE SESSION@光ヶ原キャットツアー」第2弾 開催決定!
きたる25-26シーズンもCREW限定「BACKSIDE SESSION@光ヶ原キャットツアー」を、昨シーズンと同時期の2026年1月25日(日)に開催。シーズン序盤は降るという予報(記事はこちら)を踏まえると、2年連続大当たりの可能性大。近日中にエントリーを受け付けるので、ご興味のある方はBACKSIDE CREWにご参加を!(CREWの詳細や参加方法はこちらから)

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: Hikarigahara Cat Tours

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