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バックカントリーでの“一瞬”を逃さないために藤田一茂がANONを選択するこだわり
2023.12.20
バックカントリーで滑ることを生業としている一茂は、常に危険と隣り合わせであることを強く意識した考え方を持つ。だからこそ、すべての工程において“一瞬”を逃さないようにする必要があるのだと語る。そうした視点でプロダクトを選ぶため、ミニマルでシンプルかつ、高機能なプロダクトが目立つ。
表現者として活動する中で、ヘルメットの必要性を見直し、視界の重要性を改めて感じていた一茂はANON(アノン)を選択した。そのこだわりを知ることで、バックカントリーやサイドカントリーにおける行動、そして、使用するプロダクトが変わるかもしれない。
一瞬が命とりとなるバックカントリーで重宝するヘルメット
「ANONはBURTON(バートン)の人が使っているイメージでした。だから、自分からしたら真逆のポジションというか、僕が入る余地があるとはまったく思っていなくて(笑)」
同じGENTEMSTICK(ゲンテンスティック)のチームメイトであるアレックス・ヨーダーがANONを使用しており、彼とアメリカで行動をともにしていた際、何やら新しいテクノロジーが搭載されたヘルメットのミーティングに行くという話を耳にしていた。後述するが、ヘルメットの内側に備えられた多孔性の構造「WaveCel」をスノー業界で初めて導入したときの話なのだが、こうしたブランドとしてのチャレンジングな姿勢が気になっていたそうだ。
さらに言えば、BURTONも一茂が抱いていたイメージを払拭することを望んでいた。そういう意味でも、相思相愛だったわけ。
2022年末、移籍直後のインタビューでは「常に挑戦しながらユーザビリティに優れた体験を提供しているところに共感しています」とANONについて語っていた。
「もともと人と違うことや、ほかにはない機能が備わったモノが好きですね。そのうえで、バックカントリーで活動するようになってからはモノに対する考え方が変わり、こだわりがより強くなりました。例えば、シールを剥がすにしても、スノーシューを履く動作にしても、ゴーグルの着脱にしても、自分が何かをしている一瞬の間に危険なことが起こる可能性がバックカントリーにはあると思っています。だから、やることを極力少なくしてすべてをしっかりと観察していられる状態にしておくことが大事だと考えるようになったんです」
それが、次章で触れるゴーグルに搭載されたMAGNA-TECHであり、サイクリング中の頭部損傷の予防に最大5倍も効果的であることが実証された、先出のWaveCelだ。
「正直、そこまで頭を強打したことがないから衝撃吸収性についてはわかりませんが、多孔性の構造だからヘルメットの内側が穴だらけの状態なので、頭が蒸れないんですよね。だから、ハイクアップしているときからずっとかぶっているし、夏、ニュージーランドに行ったときは雪のないところから終始かぶっていました。ヘルメットをバックパックにつけて歩いて、滑るときにかぶるという行動自体が無駄だと思っています。ヘルメットをかぶったまま行動できるならそれにこしたことはないと思っているのですが、それが実現できるのがANONのヘルメットです」
以前から海外の遠征など、危険が伴うシチュエーションではヘルメットを着用してきたが、頭部を木に強打してしまった友人の大ケガを契機として、ヘルメットの必要性について本気で考えた。バックカントリーでの撮影はもちろん、異なるシチュエーションでも一茂は積極的に着用している。
「海外では、ヘルメットをかぶっているスノーボーダーが多いじゃないですか。日本だとスキーヤーは多いかもしれませんが、スノーボーダーはほとんどいない。だからこそ、逆にゲームチェンジできると考えています。この遊びを広める側として自分が先頭に立ち、ヘルメットの必要性を広める役割を担っていきたいですね」
そんな一茂の頭部を守るヘルメットは、LOGAN WaveCel。WaveCelの機能を簡単に説明しておくと、セルが曲がることにより最初の力を軽減させ、衝撃を受けたセルはバンパーのように潰れ、最後にセルが滑ることで衝撃力を頭から遠ざけるというもの。その結果、頭部損傷を効果的に予防してくれるのだ。
「もともとハイエンドモデルのMERAK WaveCelを使っていましたが、もう少し軽いヘルメットがいいと思ってLOGAN WaveCelを愛用しています。ベンチレーションの開閉はできませんが、軽くてフィット感がいいですね。あと、ANONのロゴがどこにあるのかわからないくらい主張していないんです(笑)。見た目がシンプルなので、僕はカッコいいと思ってかぶっています。危険だからかぶるのは当たり前ですが、それだけではなく、ヘルメットかぶっていい滑りをすることで、それがクールでカッコいいってことを広めていきたいです」
フリースタイルに雪上をサーフするために重要な視界
前章で綴っているように、一茂は新しいテクノロジーに目がない気質だ。
「今となっては新しくないかもしれないですけど、マグネット式ゴーグルの先駆けがANONだと思っています。最初はその機能であるMAGNA-TECHに興味があったんですが、実際に使うようになってからは着用時の快適さに勝るものはありません」
MAGNA-TECHがANONを象徴するテクノロジーだからこそ、レンズの脱着のやりやすさばかりがこれまで強調されていた。しかし一茂は、「むしろレンズはあまり外さない」と言い切る。
「体質もかかわってくる話なので個人差があると思いますが、僕の場合はあまり曇ることがないですね。なので、バックカントリーでハイクアップしているときもヘルメットをかぶっていますけど、レンズもつけたままのことが多いです。でも、ゴーグルをかけているときに人に会って挨拶するときは、『こんにちは』ってレンズだけ外して挨拶するんです。めっちゃウケがいいですよ(笑)」
そう笑い飛ばす一茂だが、やはりバックカントリーではMAGNA-TECHの恩恵を受けている。
「スペアレンズに交換するときも時短できるのは素晴らしい。降雪時は特にそう感じます」
繰り返しになるが、一瞬一秒の無駄も削ぎ落としたい表現者にとって、MAGNA-TECHは必要不可欠な機能と言って過言ではないはずだ。
そろそろ核心に迫っていこう。積雪量によって毎シーズン表情を変えるナチュラルヒット、そして、刻一刻と変化する雪面の状況。冒頭で綴ったように、スノーサーファーとしてフリースタイルを表現する一茂にとって、“自然のリズムに乗ること”とは、オンスノーにおいては自然地形や雪質に己をアジャストさせることにほかならない。そのために、よりよい状態の視界を得ることは重要事項だ。
「細かい地形が見えるのはとても重要なこと。フィールドに立っているすべての時間で安心して使えることが大事だと考えています。初めてANONをかけたとき、その自然な視界は一瞬で馴染みました。それ以来、まったく違和感がないんですよね」
ANONが採用しているPERCEIVE LENSは、周囲の色味を忠実に再現しながらも奥行き感を高めることで、コントラストを向上させることに成功。さらに、この究極のコントラストに透明度をもたらすことで、これまで見えづらかった地形や雪面の細かい変化を認識することができるのだ。
さらに、すべてのPERCEIVE LENSには曇り止め効果をもたらすため、ICTアンチフォグコーティングが施されている。これにより、レンズの内側から湿気を取り除きやすくなり、クリアな視界を長時間提供してくれる。
「ANONを使うまでは、1シーズン使っていればレンズに細かいキズが増えていく感覚がありましたけど、まだ昨シーズンのレンズがキレイな状態なので使っています。今日(2023年11月30日)も滑りに行ってきたんですけど、変な油汚れがついたときにサッと吹いたらすぐとれましたね」
レンズへの指紋の付着などを防ぐため、撥水(HYDROPHOBIC)・撥油加工(OLEOPHOBIC)がレンズコーティングとして施されている。実際にはキズではなく、樹液や木の油分でできたレンズのコスれであるとすれば、それがつきづらいという説明にもなる。さらに一茂が言うように、油汚れが一瞬で消える効果ももたらしているのだ。
「何と言っても、友達に絶対の自信をもってオススメできるゴーグルです。そう言い切れるのがANONのいいところかな、って」