BACKSIDE (バックサイド)

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全地形をフリースタイルに遊び尽くす安藤健次の視界を守るAnon「M4」

2022.11.21

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50歳を目前にした今もなお、スケートボードで妙技を披露し、ピストやBMXを巧みに操り、フライフィッシングでもそのセンスを発揮する“遊びの天才”と言えば、スノーボード界においてアンディこと安藤健次の右に出る者はいない。それは雪上でのライディングスタイルも同様であり、バックカントリーからゲレンデまで余すことなく遊び尽くす。クリフ、マッシュ、スティープライン、パーク、地形遊び、グラウンドトリックなど、一本の板にまたがってジャンルの垣根を取り払い、すべてを高次元でこなすプロスノーボーダーである。
 
オンスノーでの数多の経験を通してアンディのライディングスタイルが確立したわけだが、その視界はAnon(アノン)によって守られてきた。ブランドがローンチした2001年以前からプロトタイプを使用していたとのことなので、20年以上に渡り愛用している。その進化の過程において遊びの天才を唸らせたのは、瞬時にレンズが着脱できるおなじみのMAGNA-TECH®テクノロジー、そして、各所から評判の高いレンズだ。それらの真価について、アンディに語ってもらった。

ゴーグルを外すことなくレンズの着脱ができる優位性

ゴーグルを外すことなくレンズの着脱ができる優位性

「MAGNA-TECH®で一番便利だと思うのは、ゲレンデライディングしているときにゴンドラの中やリフトの上で瞬時にレンズの着脱ができること。ゴーグルを外すことなくレンズを外して拭いて、一瞬でカチャっと装着できるのはすごくいい」
 
滑走直後にリフトやゴンドラに乗車してゴーグルを外そうとしたとき、ビーニーについている雪がゴーグルの内側に入ってしまう、もしくは、グローブについていた雪が同様に侵入してしまうという経験をしたことがあるスノーボーダーは少なくないはずだ。パウダーライディングを愛する弊ウェブマガジンの読者諸兄姉であれば、なおさらである。そうした当たり前だったストレスから、MAGNA-TECH®を利用することで瞬時に解放される。
 
2013年に誕生したMAGNA-TECH®はゴーグル界に革命を起こしたわけだが、その進化の過程についてたずねてみると。
 
「最初の頃はマグネットの数が少なかったから、磁力の弱さを多少なりとも感じていました。物理的にフレームが柔らかすぎるとマグネットがゆがんでしまいレンズが落ちやすくなると思うけど、研究を重ねたんでしょう。段々とハードフレームになっていくにつれて、すごくよくなりました。今オレが使っているM4は、もう完璧と言えるんじゃないかな」

 

MAGNA-TECH

強力なマグネットが7個あるため保持力に優れる

 

マグネット式と聞いて即座に想像するのは、ぶっちゃけライディング中にレンズが外れることはないの?という問いで間違いないだろう。一般スノーボーダーレベルではまずあり得ないが、25mクラスの巨大キッカーでのストンプ時に外れたシーンが4年ほど前にあったが、実際のところどうなのだろうか。
 
「雪面に顔から叩きつけられたりしたらわからないから、絶対に(外れない)とは言い切れないけど、少なくとも、オレはM4にしてから1回も外れたことがない」
 
念のため、ジャンプでストンプしたときはどうかと追加で聞いてみたのだが、「そんなことは昔から一度もない」と太鼓判を押してくれた。
 
また、ゲレンデだけでなく、バックカントリーでの使用感についても絶賛する。
 
「バックカントリーでハイク(アップ)するときは、かなり調子いい。もともとサングラスをつけるタイプではないから、ゴーグルのまま登ることが多いんですけど、吹雪いているときなんかはサングラスよりゴーグルのほうが絶対に歩きやすいじゃないですか。でも、さすがに歩き回っているとレンズが曇ってくるから、そういう状況でレンズだけ外してパパッと拭いて、また装着する動作がものすごくラク。撮影のときは短い距離を登り返したりすることが多いから、そういう状況でもまさにそう。ゴーグルをかけた状態のままレンズを着脱できるというのは、ものすごく有利ですよ」


これまで見えづらかった地形の表情まで見えるレンズ

これまで見えづらかった地形の表情まで見えるレンズ

Anonを使用する前は、日本で100年以上の歴史を誇るアイウエアカンパニーからスポンサードを受けていたアンディだが、「レンズバリエーションも豊富だったし、最初からまったく問題なかった」と当時を振り返る。
 
そのうえで2019-20シーズンまでは、高性能なカメラレンズなどを製造するドイツのカール・ツァイスと共同開発したSONARレンズが好評を博していたのだが、ブランド20周年を迎えた2020ー21シーズン、満を持してPERCEIVEレンズを発表。さらなる進化を遂げた。

 

M4_M4S

M4よりも小さめのM4Sとのサイズ差はこれくらい。双方ともにPERCEIVEレンズが採用されている

 

「視力には個人差があるからあくまでもオレの意見ですが、レンズをつけてから視界が目に“なじむ”感じがすごくて。例えば、ゴーグルをつけた瞬間はレンズが少し暗くて(雪面の)凹凸が見えづらい場合でも、10秒くらいするとすべてがクリアに見える。このレンズ不思議だな、ってシーンはよくありますね。カール・ツァイスと共同開発したレンズも含めてAnonはいろいろトライするブランドなんですけど、このPERCEIVEレンズが今までで一番いい」
 
スノースポーツ用に開発されたPERCEIVEレンズは、周囲の色味を忠実に再現しながら奥行き感を高めることで、コントラストを向上させている。そうした究極のコントラストと透明度を提供することで、これまで見えづらかった地形や雪面の細かい変化を認識することができるのだ。

 

AndyRiding

これまで見えづらかった細かな地形の変化を把握しながら華麗なライディングを魅せるアンディ

 

 
さらに、すべてのPERCEIVEレンズには曇り止め効果をもたせるため、ICTアンチフォグコーティングが施されている。これにより、レンズの内側から湿気を取り除きやすくなり、クリアな視界を長時間提供する。
 
これらに加えてアンディは「謎」としながらも、PERCEIVEレンズの秘密について教えてくれた。
 
「ツリーランしているときに枝とかに当たったら、当然、レンズにキズが入る。でも、付属しているゴーグルを収納する袋で拭くと、なんでかわからないけどキズが消えるんですよ。これも不思議で」
 
厳密に言えばキズではなく、樹液や木の油分でできたコスレであると推測される。これが消える理由としては、指紋の付着などを防ぐために撥水(HYDROPHOBIC)・撥油加工(OLEOPHOBIC)がレンズコーティングとして施されているためだろう。PERCEIVEはHDレンズであり、上記ふたつの加工を施されていることから、業界最高峰のレンズであると断言できる。
 
これまで見えづらかった細かな雪面や地形の凹凸を見極めることができ、レンズは曇りづらく、仮に曇っても瞬時に着脱でき、そのうえで、レンズにキズがつきづらい。
 
「レンズもいいけど、MAGNA-TECH®は本当にすごい。M4は買ってでもつけたいと思えるゴーグルですね」


M4 LOW BRIDGE FIT GOGGLES(CYLINDRICAL) + BONUS LENS + MFI® FACE MASK


M4 LOW BRIDGE FIT GOGGLES(CYLINDRICAL) + BONUS LENS + MFI® FACE MASK

M4

▷フレームカラー: NAVY

▷レンズカラー: PERCEIVE VARIABLE BLUE

▷スペアレンズカラー: PERCEIVE CLOUDY PINK

▷価格: 40,700円

鼻に向かって5~7mm厚みが増すように改良されたフェイスフォームによりフィット感が向上

M4S LOW BRIDGE FIT GOGGLES(CYLINDRICAL) + BONUS LENS + MFI® FACE MASK

M4S LOW BRIDGE FIT GOGGLES(CYLINDRICAL) + BONUS LENS + MFI® FACE MASK

M4S

▷フレームカラー: PURPLE

▷レンズカラー: PERCEIVE SUNNY ONYX

▷スペアレンズカラー: PERCEIVE VARIABLE VIOLET

▷価格: 40,700円

M4の高度なパフォーマンスはそのままに、小顔に合うサイズのフレームでアップデート

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
portrait + riding photos: Junichiro Watanabe
product photos: Akira Onozuka

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