INTERVIEW
平昌五輪ビッグエアで惜しくもメダルを逃した直後に語られた女たちの想い
2018.02.22
ひとり3本飛び、回転方向の異なるベスト2トリックの合計得点で争われた平昌五輪ビッグエア女子決勝は、アンナ・ガッサー(オーストリア)がバックサイド・ダブルコーク1080とキャブ・ダブルコーク1080を完璧に決めて金メダルを獲得。完勝だった。銀メダルにはフロントサイド1080とキャブ・ダブルアンダーフリップ900を成功させたジェイミー・アンダーソン(アメリカ)が輝いた。
銅メダリストには、男勝りのスイッチ・バックサイド900で92ポイントを叩き出したゾーイ・サドウスキー・シノット(ニュージーランド)が。しかし、得点に採用されたもうひとつのトリックのポイントがダブルバックフリップで65.5とさほど高くなかったため、1本目で70点台後半以上の高得点を獲得していた藤森由香、岩渕麗楽、鬼塚雅の日本人ライダーたちは2、3本目で自身の大技を決めることができれば銅メダルが射程圏内に入っていた。
藤森はフロントサイド・ダブルアンダーフリップ900、岩渕と鬼塚はバックサイド・ダブルコーク1080で勝負に挑むも……着地に嫌われてしまい涙をのむ結果に。岩渕は転倒しなかったものの着地時に後傾となり雪面に手をついてしまって4位、転倒してしまった藤森は7位、鬼塚は8位と、全員入賞は果たしたものの、メダルにはあと一歩届かなかった。
そんな彼女たちが戦いを終えた直後にもらした本音とは。世界と対等に渡り合い、日本中に勇気と感動を与えてくれた3名のライダーたちに大きな拍手を贈りたい。
4位 岩渕麗楽
「公開練習が調子よくて、自分に自信を持ててた部分があったんですけど、大会でそれをしっかり決めることができずにすごい悔しい結果に終わってしまいました。でも、これが今の自分の実力だから、もっと練習して4年後にまたチャレンジしたいと思います。こんなレベルの高い大会で自分の実力を試せたことで、これからのやる気を出させてくれる大会になりました。次の大会も控えてるし、4年後もまたチャレンジしたいと思っているので、心技体すべて今よりももっと強くなれるように頑張ります」
7位 藤森由香
「1本目ではバックサイド900をしっかり決めることができたので、2、3本目は安心してドロップすることができたんですけど、練習してきた成果を出すことができなかったので残念な結果に終わってしまいました。メダルよりも自分の滑りをしっかり出したいということを一番に思って挑みました。大舞台で戦える幸せな気持ちと、応援してくださったみなさんの前で自分の滑りを出せたことはうれしいです」
8位 鬼塚 雅
「実力不足でした。すごく悔しい結果になっちゃったんですけど、私の人生にとってとてもいい経験になったんじゃないかと思っています。バックサイド・ダブルコーク1080は今年に入って練習し始めて、なかなか出せるかどうかわからない状態で挑戦してきたんですけど、そのことに後悔はありません。オリンピックという舞台はやっぱり難しくて、私にはまだメダルを獲れる資格がなかったんだと思います。2年くらい前から技のレベルが自分の中で止まっちゃってたんですけど、挑戦するという気持ちを新たに芽生えさせてくれた海外選手たちが私のレベルを引き上げてくれました。それが自分にとってもすごくいいことだったなと思います」