MOVIE
パウダーが恋しくなった今、また観たくなる一本。6年前の映像作品『ROOSTER TAIL』が再び投下
2026.05.23
5月下旬。シーズンオフの現実を受け入れながら、深い雪の感触だけが頭の片隅に残り始める時期だ。
そのタイミングを見透かしたように、オースティン・スウィーティンと映像作家ショーン・ルーシーによる「BOARDSLIDE WORLDWIDE」が、2020年公開の『ROOSTER TAIL』を再び世に投下した。
主演はオースティン。トラビス・ライス、ブライアン・フォックス、ロビン・バン・ジン、エリック・ジャクソンが脇を固める。舞台は、オースティンのホームマウンテン、ワシントン州マウントベイカーと、カナダ・ブリティッシュコロンビア州パーセル山脈。ディープパウダー、ナチュラルヒット、マッシュ、沢地形。巨大なラインをただ落とすのではなく、地形で遊ぶ。その感覚がこの作品を貫いている。
なかでもマッシュが連続するランは圧巻だ。地形を攻略していく緊張感とリズムが生々しく伝わってくる。息づかい、スプレー音、雪面の凹凸。そのすべてが編集で消されていない。むしろそれが、滑っている感覚として残されている。
現在のスノーボード映像は、より高く、より危険なラインへ向かい続けている。それもひとつの進化だ。ただ、『ROOSTER TAIL』が6年経っても色褪せない理由は、そこだけではないのだろう。
仲間と雪を追い、地形を読み、自然の中で遊ぶ。そのシンプルな喜びこそがフリースタイルスノーボーディングの根っこにあることを、この作品はまっすぐ思い出させてくれる。
パウダーが恋しくなる頃に、何度でも観られる一本だ。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)




