CREW
オフシーズンに雪上で滑れる喜び。真夏のカムイみさかで味わった「BACKSIDE SESSION #22」
2026.02.02
真夏に集う理由──「BACKSIDE SESSION」がみさかで続いてきた背景
読者コミュニティ「BACKSIDE CREW」の恒例イベントとなった真夏の「BACKSIDE SESSION」。2025年7月上旬、日本が世界に誇るインドアハーフパイプを有する山梨・カムイみさかで開催した。
シーズン中、ハーフパイプを滑る機会が減っているCREWも少なくない。だからこそ、オフシーズンにあえてパイプに向き合う。ひさしぶりに立つトランジションに戸惑い、思うように身体が動かず、上手なキッズたちの滑りに刺激を受ける。そのすべてが、次の冬に向けた宿題として残っていく。
同時に、このセッションは“再会の場”でもある。シーズンを走り切った者同士が顔を合わせ、近況を語り、来たる冬の雪やギア、旅の話を交わす。BACKSIDE SESSIONは、滑ること以上に「冬を続けていくための時間」として、少しずつ役割を深めてきた。
極上のシェイプと、みさからしい偶然
みさかのパイプは、例年と変わらず極上だった。外気温は30℃を超えていても、室内はひと桁台。ひんやりとした空気のなか、ひさしぶりのパイプランが始まる。4年連続の開催ということもあり、ローカルスノーボーダーやキッズたちの間にも、「あ、またBACKSIDEが来たな」という空気感が自然と漂っている。
筆者(編集長)は、昨シーズン中に古傷が悪化してしまい、まともに滑ることができなかった。悔しさは正直ある。それでも、CREWのメンバーたちが楽しそうにトランジションを駆け抜け、声を掛け合いながら滑っている姿を見ているだけで、この場を続けてきた意味を感じていた。
セッションの途中、少し遅れて現れたのが、d0bunezumi(ドブネズミ)クルーだった。米ユタ州ソルトレイクシティを拠点に活動する若手クルー・THE DUST BOXへ切り込む伊藤藍冬。ハーフパイプのハイエストエア世界記録保持者・平野海祝。スイッチスタンスで街中の建造物をスタイリッシュに攻略する長澤颯飛。競技で培ったスキルを武器に世界へ打って出る山田悠翔。どうやら富士山登山を敢行し、その流れで立ち寄ったという。

左から悠翔、藍冬、海祝、颯飛
ハードな登山で疲労困憊の身体に鞭を打ち、彼らはみさかのパイプで“別次元”の滑りで魅せた。スタイル、エアの高さ、当て込み方。そのすべてが自然体で、CREWの視線は釘づけになっていた。みさかは、こうした偶然が起こる場所でもある。
トップレベルのライダーと、ライフスタイルとして楽しんでいるスノーボーダーが、同じパイプを共有する。その距離の近さが、この場所の魅力のひとつだ。
CREWたちの声
今回のセッションを、FRESHFISH(有料会員)のメンバーたちはどう受け止めたのか。ライディング写真とともに、その言葉を紹介したい。

「もともとハーフパイプをやっていた僕は、このオフシーズン5回目のみさかでした。正直、一番楽しくて、もっとも集中して滑れた日。やっぱり同じ時代に滑っていた仲間と滑るのは特別ですね。ZIZOさんの追い撮りは、大会前の緊張感を思い出しました」──豊島雄樹

「暑い夏に、CREWのみんなと冬を思い出しながら楽しむ時間。滑っているときはアホな感じですけど(笑)、次のシーズンに向けた情報交換は真面目です。d0bunezumiクルーの滑りは、正直、衝撃でした」──星 貴浩

「真夏のみさかは、CREWに会える大事な時間。昨シーズンのお疲れ会であり、次の冬に向けた情報交換会でもあります。新しいブーツの話を聞くだけで、テンション上がります」──根本 清

「オフシーズンに顔を合わせられる貴重な場。みんなと挨拶して話して、キレイなパイプで滑って、d0bunezumiを見てはしゃいで(笑)。ZIZOさんの追い撮りも含めて、すごく楽しかったです」──坂井賢

「昨シーズンはパイプを滑る機会がなかったので、キレイなパイプに入れるだけでテンションが上がりました。年々下手になってきてますけど、仲間と話しながら滑れる環境は貴重。海祝くんに会えたのは、素直にうれしかったですね」──佐藤潤一

「みさかセッションは初回から皆勤賞。完全に夏の風物詩です。セッション後の河口湖BBQも含めて“大人の遠足”。ミーハー全開で、海祝くんとのツーショット撮ってもらいました(笑)」
道場ではなく、憩いの場としてのみさか
平野海祝が放ったメソッド・トゥイークで天井にタップした映像は、多くのスノーボーダーの記憶にも新しいだろう。その影響もあり、みさかを“パイプ道場”のように捉えている読者もいるかもしれない。
だが、オジさんばかりのBACKSIDE CREWが、気負わずに滑れてしまうのも、また事実だ。飛べなくたっていい。トランジションに当てるだけでもいい。スケートライクにも、サーフライクにも楽しめる。その懐の深さこそが、みさかという場所の本質だ。
エアマットのジャンプ施設や人工芝のジブ施設が増えるいっぽうで、室内ゲレンデはわずかしか残っていない。オフシーズンに、オンスノーで滑れること。そのありがたみを、改めて実感させてくれる場所でもある。

全長100m、高さ4mの室内ハーフパイプは日本の誇り
道場ではなく、憩いの場として。ミラノ・コルティナ五輪を目前に控え、ハーフパイプの注目度は間違いなく高まる。雪が解けたら、またここでセッションを重ねたい。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos + movies: ZiZO
photos: Yuto Nishimura




