MOVIE
単身アメリカで活動する角野友基。SHRED BOTS『RANCH HAND』が映し出す、本場で積み重ねてきた5年
2025.12.28
SHRED BOTSからムービー『RANCH HAND』が公開された。舞台は米ワイオミング州ジャクソンホール周辺、ティトン山脈の深部だ。パウダースノーを追い求め、斜面を読み解き、時にはウェッジを組み上げ、自分たちの滑るラインをつくる。そんな日々の積み重ねが切り取られている。
キャム・フィッツパトリック、クーバー・ブランナム、テイラー・ゴールド、そして角野友基が出演。さらに、フリースタイルスノーボーディング黎明期を支え、このシーンを大きく前進させてきたブライアン・イグチの名もある。
個人的に、イグチと友基が同じフレームに収まっている姿を観ることには、少なからず感慨があった。世代もキャリアも異なるふたりだが、そこにあるのは、山と向き合うスノーボーダーとしての共通言語だ。
友基といえば、2020年の「BURTON US OPEN」スロープスタイルで頂点を極めた存在として記憶している人も多いだろう。しかし彼は、その後のキャリアをバックカントリーへと移している。
単身アメリカに渡り、バックカントリーを主軸に活動を続けて5年。コンペティターだった時代とは異なり、華やかな結果や数字が可視化されにくい領域で、彼は時間をかけて、自分の滑りと居場所をつくり続けてきた。
『RANCH HAND』の中での友基は、決して特別扱いされていない。それは同時に、このクルーの中で、彼が外から来た存在ではなく、自然に溶け込んでいることの証でもある。
競技で頂点を極めた日本人スノーボーダーが、その後もなおアメリカの山に身を置き、滑り続けているという事実。
本ムービーは、そんな友基の“現在地”を余すことなく伝えてくれる。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)




