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荻原大翔と鬼塚雅が大逆転劇で優勝、雅はクリスタルグローブ獲得。W杯ビッグエア最終戦レポート

2025.12.14

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FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップ(以下、W杯)ビッグエア第3戦が米コロラド州スティームボートで行われ、男子は荻原大翔が、女子は鬼塚雅がそれぞれ大逆転劇を演じて優勝を飾った。木村葵来は2大会連続となる2位で表彰台を射止める結果に。
 
ひとり3本のランを行い、回転方向の異なるベスト2本の合計ポイントで争われるおなじみのルール。男子は葵来が1本目、BS1980メロンで90.5ポイントを叩き出し、前回大会で3位に入ったレネ・リンネカンガスのオリジナルトリック、ノーズバターBSロデオ1440の89.5ポイントを上回り、トップに立った。2本目はスイッチBS1800インディで88.75ポイントを獲得してトップをキープし、3本目を迎えた。
 
1本目でミスしてしまった大翔は2本目、FSトリプルコーク1800ミュートで85.5ポイントを記録。逆転を狙った3本目、BS1980テールで94.75ポイントを叩き出した。5.5回転の高回転ながらも、しっかりとテールでリップを踏み切り、大きな放物線を描く。さらに、テールをロンググラブ。今大会最高ポイントをマークし、葵来の179.25ポイントを超える180.25ポイントでトップに躍り出た。
 
あとがなくなった葵来は3本目にスイッチBS1980インディで勝負に出るも、ランディングを合わせることができず万事休す。大翔の今シーズン初優勝が決まった。
 
昨シーズンのFIS世界選手権ビッグエアで3位となり表彰台を獲得した17歳のオリバー・マーティン(アメリカ)は、1本目にFSトリプルコーク1800ミュートで84ポイント、2本目にはCABトリプルコーク1620プルバック・ミュートという、あえて1800回さずに180戻すという妙技を披露。90ポイントをマークして3位となった。

雅は1本目にBSダブルコーク1080ミュート、2本目にCAB900ミュートを決めて161.5ポイントで首位に立った。しかし、ユ・スンウン(韓国)が2本目にBSダブルコーク1080ミュートを決めると、3本目にFSダブルコーク1080インディをメイクし、雅のポイントを10ポイント超上回る高得点を記録した。
 
あとがなくなった雅の3本目。CAB1260ミュートに成功し、91ポイントを叩き出した。ユの合計ポイントを0.75ポイント上回り、見事逆転優勝を飾ったのだ。
 
3位には、FS1080ミュート&テールなどを決めたアリー・ヒックマン(オーストラリア)が入った。
 
2児の母となり、復帰戦を迎えたソチ、平昌五輪スロープスタイル2大会連続金メダリスト、ジェイミー・アンダーソン(アメリカ)は、CABダブルアンダーフリップ900ミュートとFS720ミュートを決めるも、6位に終わった。

オリンピックシーズンのW杯ビッグエア全3戦が終了した。雅はビッグエア総合チャンピオンの証、クリスタルグローブを手にした。ビッグエアでしのぎを削っていたライダーたちは、1月上旬にコロラド州アスペンで開幕するスロープスタイルに向けて、年末年始もなく調整を続けることだろう。種目を変え、再び決戦へ。
 
男子結果
1位 荻原大翔(日本)
2位 木村葵来(日本)
3位 オリバー・マーティン(アメリカ)
4位 木俣椋真(日本)
7位 木村悠斗
8位 宮村結斗(日本)
24位 国武大晃(日本)
全結果はこちら
 
女子結果
1位 鬼塚 雅(日本)
2位 ユ・スンウン(韓国)
3位 アリー・ヒックマン(オーストラリア)
8位 村瀬由徠(日本)
15位 鈴木萌々(日本)
全結果はこちら

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: FIS SNOWBOARDING

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