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工藤洸平や國母和宏らがいたから、このラブストーリーは生まれた。NOMADIK × WASTED TALENT『I’m Not Mad At You』
2025.11.19
サーフ・スケート・スノーの3Sカルチャーを横断し、2015年に南フランスで産声を上げたメディア/アパレルブランド、WASTED TALENT(ウェイステッド タレント)。その“海から山へ、そして街へ”という自由な感性が、2016年に工藤洸平が掲げた「NOMAD=旅人」という思想と共鳴したのは、ある意味で必然だったのかもしれない。
両者のコラボコレクションがローンチし、その世界観を映し出すコラボムービー『I’m Not Mad At You』が公開された。今年3月、洸平と國母和宏がスイスでWASTED TALENTクルーと撮影していた様子がSNSに投稿されていたが、それこそが今回のプロジェクトの裏側だった。
先日、東京プレミアを終えた
NOMADIK(ノマディック)の最新作『GYPSY Ⅱ』は洸平自らの表現であり、NOMADIKの作品である。本記事で紹介している作品はNOMADIKのライダーたちを主役に、WASTED TALENTがプロデュースした映像作品。長澤颯飛と大久保勇利も参加し、日本で撮影されたフッテージもふんだんに使われ、国境を越えたコラボレーションの“熱”が丁寧に描かれている。
企画が生まれたのは、東京・六本木のブリティッシュパブ。そこで語られたアイデアは、18ヶ月という時間を経て結実した。WASTED TALENTは、リリースの中で「リスペクトしている日本の友人でありパートナーであるNOMADIKとの、始まったばかりのラブストーリー」と表現している。その言葉どおり、作品からは互いのクリエイションに対する敬意と、カルチャーの境界を越えていく喜びが滲み出ている。
サーフ、スケート、スノーは同じ“横乗り”でありながら、それぞれが独自の文化圏と文脈を持つ。しかし、旅をし、出会い、共鳴し、映像として残していくという営みは共通している。『I’m Not Mad At You』は、その共有された感覚の上に成り立つひとつの答えだ。
異なるカルチャーが“混ざる”のではなく、響き合うことで新しい景色が生まれる。NOMADIKとWASTED TALENT、その関係性が生み出した作品は、まさにそんな瞬間を映し出している。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)




