BACKSIDE (バックサイド)

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MOVIE

これを観ずしてフリースタイルは語れない。『ATLAS 2』が描く、ストリートスノーボーディング最前線

2025.11.18

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686(シックスエイトシックス)の最新ムービー『ATLAS 2』が公開された。前作『ATLAS』が世界中のストリートシーンを席巻してから2年。今作もコルトン・フェドルマンが監督を務め、ボルチモア、ボスニア、ボストン、フィンランド、ピッツバーグ、そして日本を舞台に、再び雪と都市をめぐる旅を描き出した。
登場するのはフォレスト・ベイリー、トミー・ゲスメ、ライリー・ニッカーソンといったおなじみの顔ぶれに加え、クーパー・ウィッティア、ロビー・ミーハン、サバンナ・シンスキーという新しい才能たち。熟練と新鋭が交わり、ストリートスノーボーディングの“今”を鮮明に映し出している。
トリを飾るフォレスト・ベイリーの滑りは、相変わらず美しい。スムースでありながら、力強さと華やかさを併せ持つボードさばきは、年齢を重ねてもなお進化を止めない。街の中に滑走の線を描くその姿は、スノーボーディングが持つ芸術的側面を象徴している。
『ATLAS 2』というタイトルには、“地図を広げるように世界を旅する”という意味が込められている。スマートフォンでスポットを探せる時代にあっても、現場で雪を踏みしめ、街の空気を感じ、仲間と笑い合う──そんなリアルな行為こそが、この作品の核だ。コルトンのレンズは、ただのトリックではなく、そこに宿る“生き方”を映している。
ストリートを滑ることの意味、それを映像として残すことの価値。『ATLAS 2』は、686というブランドがこれまで守り続けてきたカルチャーの魂を、再び世界へと解き放つ。

雪と都市が交差するその瞬間に、ストリートスノーボーディングの未来が息づいている。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

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