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フリースタイルの魂が共鳴した夜。NOMADIK『GYPSY Ⅱ』東京プレミアに見るカルチャーの熱
2025.11.07
10月25日(土)の夜、NOMADIK(ノマディック)の第2弾ムービー『GYPSY Ⅱ』の東京プレミアが、表参道のRobin Clubで開催された。
当日の渋谷エリアは雨交じりだったが、ハイブランドの旗艦店やデザイナーズブランドのブティックが立ち並ぶエリアには、スノーボーダーたちが続々と集結。ストリートカルチャー独特の熱気が漂っていた。
オープンから少し遅れて会場に入ると、すでに満員御礼。スノーボーダーだけでなく、ストリートカルチャーの重鎮たちが顔を揃え、あちこちでワッツアップの声が飛び交っていた。

スノーボード業界関係者も多く参加していた
YouTubeをはじめとするSNSの台頭により映像プロダクションの数が減り、スノーボードムービーの試写会は少なくなった。それでも今シーズンの日本はひさびさの豊作だ。Cheeba Films『北門 -Hokumon-』から始まり、KIYO FILM『NEKOSOGI』、SKETCHY SUNCA『IGNITE』が全国各地でプレミアを開催。そして満を持して行われたのが、NOMADIKの『GYPSY Ⅱ』である。
この夜の熱気は、2015年に一度幕を下ろした日本最強クルー、STONPの試写会を彷彿とさせた。スノーボードムービーでスノーボーダーの枠を超える。バックカントリースノーボーディングは山岳スポーツではなく、ストリートカルチャーの延長線上にある。そのことを、NOMADIKがストリートの現場で証明してみせた。
上映開始前から、すでにスクリーン前のスペースは人で埋まり始めていた。KANDYTOWNのMUDやMMILES WORDによるライブ、KILLER-BONGやOMSBらによるDJプレイなど、夜通しのセッションが続くこのイベントの中心には、間違いなく『GYPSY Ⅱ』があった。
会場には、工藤洸平、國母和宏、長澤颯飛、藤倉海人、村瀬心椛、浅谷純菜、柿本優空、SRUSH BOMB、渡辺雄太、村瀬由徠といった出演ライダーたちが集結。さらに、『北門』の佐藤秀平や『NEKOSOGI』の戸田真人など、ムービーシーンを彩る仲間たちも全国から駆けつけ、祝杯をあげていた。

NOMADIKのボス・工藤洸平(右)と、彼をとなりで支えている國母和宏

オリンピックに向けた多忙な合間を縫って心椛(右)&由徠の村瀬シスターズも来場

超絶アグレッシブなストリートパートを飾った長澤颯飛

ケガに苦しめられながらも元気な姿を見せてくれた柿本優空

すべての試写会に足を運んでいる相澤亮(左)の姿も
気になるムービーの内容は、前作『GYPSY』から今作に至るまでの進化が鮮明に感じられる仕上がりだった。会場にいた全員がスノーボーダーではなかっただろうが、彼らの滑りは魂に届くようだ。上映中、場内は歓声と熱気に包まれ、まるでライブのような一体感が生まれていた。
Z世代の仲間たちと来場していた、弊メディア・アシスタントはどう感じていたのか、聞いてみた。
「スノーボードを“アート”として捉える表現者たちがこんなにいて、同じ空気を吸えるだけで幸せでした。シーズンインに向けてスイッチが完全に入りました!」
彼らにとって、この夜は間違いなく特別な体験だった。それは、アラフィフの筆者にとっても同じ。全世代のスノーボーダーたちが、NOMADIKからのメッセージを全身で受け取った。
フリースタイルスノーボーディングの本質──それは、型にはまらず、自由に表現すること。『GYPSY Ⅱ』は、その原点をもう一度思い出させてくれる、記念碑的な夜となった。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: YUI




