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平野歩夢が語った“夢の続き”。「成長し続けたい」「限界はない」と語る金メダリストが見つめる次のステージ

2025.11.04

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ソチ、平昌での銀メダル、そして北京での金メダル。3大会連続でオリンピックの表彰台に立ったスノーボーダー、平野歩夢が「夢の続き」と題された映像でいまの心境を語った。
「夢の続きじゃないですけど、夢の先に──」

彼の口から発せられるこの言葉には、競技の結果を超えた“成長”への意志が滲む。
「自分が成長し続けたいという気持ちがある以上、日々が戦い。現実的な身体と向き合うなかで、自分がレベルアップした姿を感じられたらいい。このオリンピックがすべてじゃない。夢の先を、これからも目指していきたい」
歩夢が14歳のときに初めてインタビュー取材をした当時から、彼の言葉には自分と向き合う誠実さがあった。だがいまの歩夢は、その誠実さの先にある金メダリストとしての覚悟を纏っている。
肉体の限界を知りながら、それでも自分を更新し続ける。その姿勢は、アスリートという枠におさまらない。“表現者”そのものだ。
「技術って無限大だと思うんです。時間が経つほど、限界はないと感じる。大事なのは自分らしさ。高さや迫力、見ている人に伝わるものを忘れないこと。最新技術の進化に合わせながら、そのバランスを保つことが大切だと思う」
挑戦の先にあるのは、勝敗ではなく自分の理想像だ。どれほど進化しても、根底にあるのは「スノーボーダーとしての美学」。そこに一切のブレがない。
「結果は大事だけど、それに縛られないようにしたい。自分が満足できる滑り、成長できる過程を大切にしたい。半年を切った今も、日々を全力で過ごしていきたいと思っています」
ソチから12年目の冬を迎えようとしている。世界の頂に立った男は常に、“夢の続き”を見ている。
それは、誰かに勝つためではなく、自分という存在をより深く掘り下げるために。成長し続けたいと願う平野歩夢のスノーボードに、限界はない。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

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