BACKSIDE (バックサイド)

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地球温暖化の爪痕。欧州スノーボーダーの夏の聖地・フォルゲフォンナが氷河融解でリフト崩壊

2025.09.10

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ノルウェー南西部のフォルゲフォンナ氷河で、かつてサマーゲレンデを支えていたリフトが崩壊した。現地メディアによれば、氷河の融解によりスロープのボトム部分は湖のように水が広がっており、少なくとも支柱のひとつは沈み込んでしまっている。
フォルゲフォンナは5月から10月にかけてリフトを運行し、夏でもパークライディングなどを楽しめる欧州随一のオフシーズンのメッカとして知られてきた。1980年代後半にはテリエ・ハーカンセンらが滑り込み、1995年にはサマーキャンプが誕生。2010年にはトースタイン・ホーグモがこの地でフロントサイド・トリプルコーク1440を決めるなど、フリースタイルスノーボーディングの進化を後押ししてきた重要な舞台である。
しかし、運営会社が2024年に破産を発表して以降、営業は停止。氷河の縮小も進むなか、維持されなくなったリフトは今夏、ついに姿を崩した。このニュースを報じたアメリカのスノーメディア「POWDER」の記事によると、ノルウェー放送協会の見立てでは、新たなリフト建設に3,000〜4,000万クローネ(約4億4,000万〜5億9,000万円)が必要とされ、その見通しは立っていない。
フォルゲフォンナを拠点として育まれたカルチャーや数々の歴史的瞬間は、世界中のスノーボーダーの記憶に残り続けるだろう。それと同時に、気候変動が氷河リゾートの未来に影を落としている事実を突きつける出来事でもある。
日本でも毎年のように猛暑の記録を更新し続けている。雪を愛するスノーボーダーとして、今一度、立ち止まって考えてみたい。

text: Daisuke Nogami(Chief Editor)

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