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明暗を分けた南半球の冬。豊富な積雪のオーストラリアとチリ、雪不足に揺れるニュージーランド
2025.08.27
南半球のスノーシーズンが、鮮やかなコントラストを描いている。
弊ウェブマガジンでも記事にしたように、オーストラリアでは8月上旬に記録的な積雪に恵まれたシーズンとなっている。主要リゾートは安定したコンディションを維持し、パークもパウダーも存分に楽しめる環境が整った。
そのいっぽうで、ニュージーランドの雪不足は深刻だ。クラブフィールドの象徴的存在であるマウントチーズマンは、2ヶ月近い待機の末、今シーズンの営業断念を決定。ロープトウで知られるテンプルベイシンも同じくクローズに追い込まれた。地域コミュニティが支えるクラブフィールド文化は、自然条件に大きく左右される脆さを露呈した格好だ。降雪を信じ、ゲレンデ整備を続けたボランティアたちの悔しさが伝わってくる。
そして、南米チリのバジェネバドでは、真逆の展開となっている。ここ1週間で163cm、シーズントータルでは411cmに達する積雪を記録。シーズン中盤戦、大いに盛り上がりを見せている。
豊富な雪に沸くエリアと、雪を待ち続けながらも閉鎖を決断せざるを得なかったエリア。南半球の今冬は、雪がもたらす喜びと残酷さを、あらためて突きつけるシーズンとなっている。北半球でも欧州が降って、日本が降らず、北米が降ることも、その逆も然りだ。オフシーズンも、きたる冬に向けて気象情報を追い続けていきたい。
text: Daisuke Nogami(Chief Editor)