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南半球はトップシーズンに突入。地球の裏側で滑れる雪山のリアルを追う
2025.07.27
北半球が酷暑に包まれるなか、地球の裏側では現在、真冬のトップシーズンが佳境を迎えている。オーストラリアやニュージーランド、チリ、アルゼンチンなどの多くが80〜95%の稼働率に到達。
ゲレンデ専門の天気予報サイトとして知られる「Snow-Forecast」の最新レポートによると、たとえばオーストラリアでは、ペリッシャーやスレドボ、フォールズクリークなど主要ゲレンデでほぼ100%の稼働率となっている。日本と比べれば積雪量は控えめながらも、それでも1m超のリゾートも。気温は-10℃まで下がり、コンディションも安定してきている。強風で一部リフトが止まることはあるものの、積雪は確実に増加傾向だ。
いっぽう、ニュージーランド南島ではマウントハットが155cmの積雪を記録し、現在の南半球でもっとも多い。コロネットピークやカードローナ、リマーカブルズといったフィールドもおおむね90%のエリアが開放されている。対照的に、北島のマウントルアペフでは積雪不足により限定的なオープンとなっているが、状況は少しずつ改善傾向とのこと。
南半球の東側に位置するオセアニアは安定しているが、南米では地域差が際立つ。チリは降雪に恵まれており、直近でも南部を中心に最大60cmの降雪が見込まれている。ネバドス・デ・チジャンやポルティージョといったリゾートは高い稼働率を維持しており、ほとんどのエリアがコンディション良好の状態だ。
対するアルゼンチンはチリに比べると回復のペースはやや遅め。セロ・カテドラルではまだ10%ほどの稼働率にとどまるが、ラス・レニャスやセロ・カストールなど一部では安定した積雪が得られており、徐々にエリアを拡大している。
南アフリカ唯一のスノーリゾート、レソトに位置するアフリスキーも、25周年の節目を迎える今シーズンは天然雪と降雨が交互に訪れつつも、トップからボトムまで滑走可能な状態を維持。標高の高いコースでは、気温が-5℃前後に保たれており、今後も断続的な雪が期待できる。
この夏、地球の裏側で「冬」を追いかける旅へ出るなら、いまが計画を立てる最終時期。日本が酷暑にうだるいま、白銀の世界は確かに存在している。旅の選択肢に“雪山”を加えてみるのも悪くない。