BACKSIDE (バックサイド)

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スイスの氷河、異例の7月上旬で“限界点”に到達。アルプスが突きつける現実を雪を愛する日本人も知るべきだ

2025.07.14

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氷河は、いまもそこに存在する。しかし、その姿はかつてと比べると大きく変わった。
スイスの氷河が7月4日、「グレイシャーロス・デイ(Glacier Loss Day)」を迎えたと、氷河観測機関・GLAMOS(Glacier Monitoring in Switzerland)が発表した。イギリスのスノーメディア「PLANETSKI」が報じている。

これは、冬に積もった雪と氷がすべて融け、氷河が“純減”に転じる日のこと。通常は8月中旬だが、今年は異例の早さだった。これまでもっとも早かったのは2022年の6月26日。今年はそれに次ぐ記録だという。

GLAMOSによると、スイスの氷河は2000年から2024年の間に38%もの体積を失った。さらに、今年6月以降の26日間に渡って異常高温が続き、氷河が失った水量は、スイス全体の年間飲料水消費量に匹敵するという。

GLAMOS代表で氷河学者のマティアス・フス氏は、自身のSNSでこう綴っている。
「この26日間、気温は平年より4℃高かった。この間にスイスの氷河が失った水量は、過去数年平均の2倍を超えている」
この先3ヶ月の天候次第で、氷河の融解はさらに進む可能性がある。
遠い国の話かもしれない。氷河を滑ることもないかもしれない。だが、僕たちが愛する“雪の未来”と無関係ではないはずだ。

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