BACKSIDE (バックサイド)

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オフトレの限界を超える構造。「KUMAGAYA QUEST」が変えるハーフパイプの新たな未来

2025.07.08

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日本のビッグエアが世界トップレベルへと昇華した最大の理由として、オフトレ環境の進化が挙げられる。ランディングに実際の雪山同様の斜度を持つエアマットを導入した「神戸KINGS」を皮切りに、雪を必要としないジャンプ練習施設が全国へと広がり、安全かつリアルなスピンの軌道を習得できるようになった。
しかし、ハーフパイプにおいては、長らくその水準に達していない。これまでは春先に雪上のスーパーパイプのラストヒットを利用し、平らなマットに着地するトリック練習が主流だった。昨年9月にお披露目となった、新潟・村上の「村上スノーリサーチ&トレーニングセンター」も、構造としては同様である。限られた条件のなかでは、それが最善とされてきたのだ。
しかし、その常識に一石を投じる施設が、いま誕生しようとしている。佐藤康弘が率いるQUESTグループが埼玉・熊谷に建設を進める「KUMAGAYA QUEST」だ。Instagramで公開されたテスト映像を見るかぎり、この施設はハーフパイプのアプローチに人工ブラシを使用したうえで、さらにランディング側のエアマットにもトランジションが設けられている。雪で造られたパイプにかぎりなく近い“滑りの軌道”を描きながら、着地までの動きを安全に修得できるのだ。
この仕組みは、これまでのオフトレ施設にはなかった。ビッグエアで実現されていた“完成された動き”の習得が、ハーフパイプでもついに可能になるかもしれない。言うまでもないが、それが雪のないオフシーズンに、である。
日本の夏に、またひとつスノーボード競技の未来を変える拠点が生まれようとしている。
 

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